昨年10月に南アフリカ・ケープタウンで開催された第3回ローザンヌ世界宣教会議で、開催後に討議が行われていた決意表明の第2部が1月28日、公開された。これにより、会議開催中に発表された第1部と合わせて、「ケープタウン決意表明」の全文が正式に完成したことになる。
福音主義に立つ信仰告白が中心となった第1部と比べ、発表された第2部「世界のために仕える:ケープタウン行動への呼び掛け」では、信仰を実際の行動に移す決意を表明。「多元主義的でグローバル化されたこの世界あってキリストの真実を証言する」「分裂し、破壊されたこの世界にあってキリストの平和を建て上げる」「他宗教の人々の間にあってキリストの愛を生きる」「世界の福音化に対するキリストの意思を見極める」「キリストの教会に謙遜と誠実、純真に立ち返るよう呼び掛ける」「宣教の一致のためにキリストの体として協力する」の6項目で構成されている。
第2部は、会議開催中に行ったアンケート、会議の公式コミュニケーションサイトを通して寄せられた意見を元に作成。ローザンヌ運動神学委員会委員長のクリス・ライト氏(ランガム・パートナーシップ国際代表)や、世界福音同盟(WEA)神学委員会委員らで構成される作業部会によってまとめられた。
ライト氏は、同決意表明がその場だけの記念になってはいけないと強調。「これ(ケープタウン決意表明)は、(ローザンヌ)運動の信念であり、大勢の人々の声である。世界中の教会の非常に多くの声を反映し表したものだ」と語った。
ローザンヌ運動国際ディレクターのリンゼイ・ブラウン氏は、「我々はこの決意表明が世界中の福音主義者らによる合同声明として、話し合い、議論されこと、また実行可能な重荷であると信じている。キリスト教宣教における議題を方向付け、思想界のリーダーたちを力づけることを信じている。また、これにより強力なイニシアティブと協力関係が生まれると信じている」と語った。
同会議には198カ国の代表ら4000人以上に加え、ネット通信やウェブサイトを通じて全世界20万人規模のクリスチャンが参加。米国人伝道者のビリー・グラハム氏の呼び掛けで1974年にスイス・ローザンヌで開催された第1回会議、1989年にフィリピン・マニラで開催された第2回会議に続く、第3回目の会議として21年振りに行われた。