ジュネーヴの国際クリスチャンチャーチフェローシップ創設者のマツチナ・ロメオ氏は、「移民教会」に長年奉仕してきた経験について証しした。同氏は「信仰の共同体として、私たちは母国から離れても本能的に礼拝できる場所を探し求めます。私たちがどこに住んでいても教会のフェローシップに所属したいという願いがあり、また新たな環境に慣れて行くことができることを願っています」と述べた。
ロメオ氏は1980年代初めにフィリピンからスイスジュネーヴに移住し、5年前に教会を設立した。同氏の教会にはスイス在住のフィリピン人、ナイジェリア人、米国人、フィジー人および現地のスイス人など多様な国籍の教会員が在籍している。
ロメオ氏は教会が存在している状況の変化に焦点を当てるべきであるとし、「国際諸教会はスイスで現地の神学や教会論に影響を与えてきました。その結果ジュネーヴという都市が、他の伝統文化に開放的な文化へと変わっていきました」と述べた。
ロメオ氏は移民共同体を支援する力強い役割をいかに教会がなしていくかについて「慣れない土地で生活する移民には、経済難、安全面の不安、健康面の不安および移民への差別感情など生活上多くの困難がつきまといます。また家族とも離れ離れで長期間生活している移民も多く存在しています。私たちは教会においてこれらの人々への安全を提供し、将来に対する具体的計画を共に考えてあげることで彼らを励まし、再び彼らが彼らの家族と共に生活できるように導いてあげるべきです」と述べた。
同会議は、参加した諸教会代表者らが、WCCおよびWCCの移民キリスト教共同体のための働きについて知ることも目的の一環とされ、WCCスタッフらが参加者らにWCCが行っている様々なプログラムや姉妹組織について説明した。ロメオ氏は「WCCが地域諸教会に手を差し伸ばす努力をされていることを嬉しく思います。このような活動が私たちにとって重要であり、地域レベルのみに限らず国際的なレベルで共に共通の目的に向かって進んでいく力を与えてくれます」と述べた。
~教会を取り囲む環境の変化に対応するために~
ジュネーヴのジョン・ノックスインターナショナル改革センターの「共に証しする」プログラムに参画しているロスウィタ・ゴールダー博士も、移民共同体を支援する諸教会の一致した姿勢が重要であると述べた。同プログラムでは多様な倫理観、言語、国家的背景を抱える70のキリスト教共同体が一つになって活動を進めている。
ゴールダー博士は「教会音楽含む地域の教会文化や神学に、それぞれの地域の文化的背景が影響しているのは明らかです。アジアではアジアの価値観の影響があり、アフリカではアフリカ、南米、東ヨーロッパ、それぞれの地域の価値観が教会文化形成に影響しています。諸教会は移民に対して開放的であるべきです。そして相手を受容し愛を与える文化をそれぞれの地域で促進していくエキュメニカルなアプローチの必要性を感じています。そうすることによってキリスト者の霊性が更に高められ、より多様な社会の人々を受け入れられる教会へと発展していくのではないでしょうか」と述べた。
WCCでは加盟諸教会と移民キリスト者共同体の関係性をより強化していく活動を今後も力強く導いていく予定であるという。