メッセージは第一部がニューヨークタイムズベストセラー作家のヨエル・ローゼンバーグ氏によって行われた。ユダヤ人の父と非ユダヤ人の母の間に生まれたヨエル氏は、キリスト教徒とユダヤ教徒の指導者らとともに働き、相互理解促進に努めてきた。ヨエル氏は福音主義キリスト教徒としてすべての国々で伝道し、聖書の預言を伝える情熱をもって活動している。
ヨエル氏はハガイ書2章を引用し、今日世界中で生じている災害、経済危機、文化の退廃と聖書に書かれている終わりの日に起こる出来事とを照らし合わせて聴衆に説明した。ハガイ書2章6節、7節には「まことに、万軍の主はこう仰せられる。しばらくして、もう一度、わたしは天と地と、海と陸とを揺り動かす。わたしは、すべての国々を揺り動かす。すべての国々の宝物がもたらされ、わたしはこの宮を栄光で満たす。万軍の主は仰せられる」と書かれている。
ヨエル氏は、「10年前の9.11同時多発テロ事件で、何か私たち世界中の人の目を覚まさせるものが生じました。ハガイ書では、神様が天と地、海と陸とを揺り動かすことが書かれています。聖書は預言書であり、いわば『未来の天気予報』のようなものです。私たちの未来に『台風』が来ることを予報しているのが聖書です。私たちは神様の御言葉に近いところに身を置いて、終わりの時のために準備をしておかなければなりません」と述べた。
10年前に生じた9.11米同時多発テロ事件について、「9.11テロ事件が生じた原因が神様にあるのではありません。しかし神様はそのような事件が生じてしまうのを許されたことで、アメリカそして世界を揺り動かし、人々の注目を起こさせるようにさせました。この9.11テロ事件を機に、世界中の教会が、個人が、各家庭や国々がそのあり方を見つめ直す機会とされました。あの事件から10年が経過した今、私たちの霊的状態は10年前に比べて良くなっているといえるでしょうか?私たちの家族、教会、教団の霊的な状況はどう変わったでしょうか?この10年間でそれぞれの領域において霊的にどのように成長したか点検してみる必要があります」と述べた。
ヘブル書12章では「語っておられる方を拒まないように注意しなさい。なぜなら、地上においても、警告を与えた方を拒んだ彼らが処罰を免れることができなかったとすれば、まして天から語っておられる方に背を向ける私たちが、処罰を免れることができないのは当然ではありませんか。 あのときは、その声が地を揺り動かしましたが、このたびは約束をもって、こう言われます。『わたしは、もう一度、地だけではなく、天も揺り動かす。』(ヘブル12・25~26)」と書かれており、ハガイ書2章の御言葉が引用されている。
ヨエル氏は、ヘブル書12章の御言葉から、「10年前に神様は私たちの霊的状況を揺り動かされましたが、私たちはそれをきちんと自覚して神様の御言葉に聞き従うようになっているでしょうか?10年経過した今、世界を見渡してみて気付くことは『神様は私たちを再び揺り動かしている状況にある』と言えないでしょうか?米国史上最大規模のハリケーンアイリーン、米東部でのまれに見る地震発生、米経済危機、文化の退廃…そのような中にあって多くのクリスチャンが霊的に眠っており、また世の中の荒波に翻弄されている状況にあるといえるのではないでしょうか?」と問いかけた。
ヨエル氏は現在米国社会において、およそ85パーセントの人がクリスチャンであり、聖書が聖なる書物であると信じているものの、聖書に書かれた御言葉が正確なものであると信じている人の割合は56パーセント程度であることを指摘した。また米国人の離婚率は、ノンクリスチャンの離婚率が33パーセントであるのに比べ、ボーンアゲインクリスチャンの離婚率が32パーセントでありほとんど変わりがない状態となっていることも指摘した。さらに米国のボーンアゲインクリスチャンのうち、1年間に一人の人に福音を伝えようとしたクリスチャンの割合は50パーセントでしかないという。このような霊的に眠ってしまっている状態のクリスチャンの状況について、「なぜ、わたしを『主よ、主よ。』と呼びながら、わたしの言うことを行なわないのですか(ルカ6・46)」と呼びかけ、改めて主の御言葉に従って生きるか点検する必要性を警告した。
ヨエル氏は、9.11テロ事件から10年が経過した今、世界中で壊滅的な災害が生じていることについても言及した。3月11日には日本で戦後最悪の規模となった東日本大震災が生じた。他にもオーストラリアでは壊滅的な洪水が生じ、ロシアでは100年間で最大の干ばつ、中国では200年間で最悪の干ばつが生じている。ニュージーランドでも同国史上二番目の壊滅的な地震が生じた。
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