【CJC=東京】オランダ南部リーンプデのカトリック教会のノルバート・ファンデル・スラウス神父が、重症で安楽死を選択した高齢者の葬儀ミサを拒否した。安楽死を選んだ人には教会で葬儀を行う権利がない、という司教の指示に従ったとしている。
同神父は、「他の神父にミサをあげさせることも私の良心が許さない」と拒否したため、亡くなった人の家族は別の教会を探すしかなくなった。同国のANP通信が報じた。
リーンプデ教会委員会がこれを問題視し、オルガンのための寄付キャンペーンを中止、神父に謝罪するよう要求している。同教会が属すデンボス司教区は取材に応じていない模様。
オランダでは安楽死は法律上容認され、毎年約3000人が選択しているが、教会は反対の姿勢を崩していない。
同国議会は2002年に安楽死を世界で最初に合法化した。すでに最高裁は1984年に安楽死を容認していたが、医師は訴追される可能性があった。合法化以来、安楽死を選択した人は04年の1886人から09年には2600人に増加している。