大韓イエス教長老教会・愛宣キリスト教会(千代田区九段南、黄パウロ牧師)が行うホームレスを対象とした給食・救済伝道活動「上野よみがえり会」が15日、上野公園で行われた。雨が降る中、上野駅周辺のホームレスを中心に約400人が参加。賛美と祈りがあふれる野外礼拝の後、参加者全員に食事が振舞われた。
この活動が始まったのは97年。公園側の都合で開催することができない場合を除いて、始まってから10年間、雨や風、雪の日でも休みなく続けてきた。初めは30人前後の参加であったが、10年で現在の規模に。これまでに100人以上が主を信じ、救われたという。
この日は、東京聖光キリスト教会(江戸川区北小岩)の辛福圭(シン・ボッキュ)牧師がルカ15章の見失った羊のたとえを用いてメッセージを伝えた。参加者一人ひとりに賛美が書かれたA4サイズのカードが手渡され、上野よみがえり会を担当する正村和也伝道師がギターでリード。天候も初めのうちは小雨であったが、礼拝が始まる頃には穏やな空模様に変わった。
配られた食事は、ご飯、スープ、自家製キムチとバナナ。クーラーボックスを利用して保温した暖かいままの食事を教会員が手際よく盛り付け、一人ひとりに手渡しで配った。
上野よみがえり会は毎週火曜日1時半から上野公園の噴水池近くで行われる。「台風と重なったことが2度ありましたが、そのときも天候を見はからって炊き出しだけは行いました」と正村師。野外での活動のため天候に左右されがちではとも思われるが、イエスの愛を伝えたい、イエスの愛によって支えたいというこころに動かされて、休むことなく続けてきた。
野外礼拝、炊き出しのほかにも、健康相談、散髪サービス、衣類や毛布の配布なども定期的に行っている。日曜日には上野公園から教会まで自動車での送迎も行っており、ホームレスの人々が礼拝に参加できるようにしている。毎週の参加者は約250人。礼拝の後には食事も提供する。
さらに、同教会では上野での野外伝道を通して救いに導かれた人々の成長と新しい人生への支援を目的に、共同生活を送りながら教会活動に従事することができる「日本語聖書学校」を運営している。
現在、活動に必要な資金のほとんどは同教会だけで賄っている。正村師によれば、火曜日、日曜日の食事配給で月30万円以上が必要だという。同教会では、今後の活動の維持と発展のために献金とスタッフを随時募集している。問い合わせは、愛宣キリスト教会(03・3221・2595)まで。