小泉首相の参拝などキリスト教界でも論争となった靖国問題についてキリスト教的視点から明確に論じる『靖国神社「解放」論』が22日光文社から出版された。
同書は東京基督教大学の稲垣久和教授が執筆。福音派の神学者を中心に話題を集めており、牧師・教師が靖国問題を考える上でふさわしいものとされている。
信仰の自由・国家神道などキリスト教が深くかかわった第二次世界大戦を通して人工的に作られた靖国神社に福音の光を当てて考察している。クリスチャンとして国を、国民をどう考え、対応するのか。日本のキリスト教界に神の御心に合致した行動が求められる。
各章トピックは以下のとおり。
序章 なにが問題なのか?
第1章 靖国問題解決のための「公共哲学」―公私二元論の呪縛を超えて
第2章 滅私奉公イデオロギー―靖国の正体
第3章 靖国的原理主義の回避―「戦没者への哀悼」を再考する
第4章 「伝統」を尊重するからこそ反対する靖国参拝―日本人識者による「靖国論争」を再考する
第5章 歴史認識のズレはこうして生まれる―人間の異なる「記憶」を和解させるには
第6章 新たな追悼と記憶のかたち―「精神の自由」「心の問題」という欺瞞
おわりに 「靖国」という呪縛からの解放をめざして