聖書の世界をわかりやすく紹介し、より正しい聖書理解を深めてもらおうと、聖書考古学資料館(津村俊夫理事長)が24日、お茶の水クリスチャンセンター(東京・千代田)で、「聖書考古学セミナー」を開催した。若者から高齢者まで合わせて29人が参加した。毎年秋に行われ、第12回目となる今年のセミナーは「レバノンと聖書」と題して全2回行われる。今回はその1回目。
津村理事長が挨拶し、下村茂・同資料館理事(前国立キリスト教会牧師)が講演した。下村師は「聖書とフェニキア」という題で聖書の記事や古典的資料から推測される旧約時代のフェニキアの状勢を、具体的な資料を用いて紹介した。講演の間も活発な質疑応答が行われるなど、参加者は熱心に下村師の話に耳を傾けていた。
愛知県から参加した20代の男性は「聖書の世界を、考古学的アプローチで新しく見ることができて聖書の理解が深まった」と感想を話した。
次回は11月21日に行われる。レバノン南部のティール遺跡で発掘調査を行う泉拓良教授(京都大学大学院文学研究科)を同会場に招き、最新の調査資料に基づいてレバノンの考古学について学ぶ。
聖書考古学資料館は、聖書の世界をより具体的に、体験的に学んでもらおうと1994年頃から活動を始めた。資料館の開演日時は月、土曜午後1時〜6時。秋のセミナー以外に、春の講演会、機関紙の発行などを行っている。隔年実施の聖書地理研修旅行では、レバノン、シリア、ヨルダン、イスラエルへの研修を来年3月に予定している。
同資料館に関する詳しい問い合わせは、ホームページまたは電話(03・3304・7788)まで。