京都府八幡市の宗教法人「聖神中央教会」の元主管牧師永田保(本名・金保)受刑者(63)=強姦(ごうかん)罪などで懲役20年が確定=と教会に、総額2億3100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、京都地裁であった。井戸謙一裁判長は、性的暴行を繰り返し受けていたとされる元女性信者7人全員の被害を認定し、「少女らの人生に与える悪影響など歯牙(しが)にもかけず、悪質極まりない」「元牧師の不法行為について宗教法人も賠償責任を負うべき」として教会の責任も認め、永田受刑者と教会に計5830万円の支払いを命じた。
判決によると永田被告は00~04年の間、教会の牧師室などで、刑事事件で被害者になった少女5人(当時12~16歳)と20代の女性2人に性的暴行を繰り返していた。
判決で、井戸裁判長は「被告が圧倒的に優位な地位にあり、逆らうと地獄におちるなどと教え込まれ、抵抗することが困難だった」とした。また、刑事裁判での永田受刑者の態度に触れ、「謝罪もせず、事実を全く語らず、原告らはさらに傷つけられた」と断じた。
暴行は「建前上、信者に対する教化育成の職務として行われた」とし、法人は代表者の職務による損害に対し賠償責任を負うとする宗教法人法に基づき、教会の責任を認定。7人に対し、220万円〜1100万円を支払うよう命じた。