女性信者への強姦(ごうかん)容疑で国際手配されている韓国人男性、鄭明析(チョン・ミョンソク)(61)を教祖とするカルト集団「摂理(JMS)」が、全国の有名国立大学や有名私立大学の学生や卒業生を中心に日本人信者を獲得し、勢力を拡大していることがわかった。
「摂理」は、日本では87年ごろから活動を始め、集団に登録されている日本人はすでに約2000人に上るとみられる。ある脱会女性によると、教祖の性的暴力に遭ったとされる女性信徒は「ゆうに100人を超えている」という。
当初「モーニングスター(MS)」と呼ばれたこの集団は、聖書を独自に解釈する教義を掲げ、韓国で80年ごろ設立。教祖の 鄭明析(チョン・ミョンソク)は、ソウル地検などから強姦(ごうかん)容疑で指名手配され、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配されている。
集団の内部資料によると、信者は首都圏や関西の有名大学の学生や卒業生がそのほとんどを占めているという。主にキャンパス内で、スポーツや文科系サークルを装って組織的な勧誘を行っている。
被害が報告されているそれぞれの大学では、学生が同集団に勧誘されないよう注意を促す文章を学内で提示するなどの対応、また信者に関する情報収集を急いでいるが、有効的な対策がまだとれていないのが実情だ。
脱会支援を進める日本基督教団や弁護士らには、被害に遭った子どもの脱会のために、助けを求める親らの相談が、すでに200件以上寄せられている。元信者や家族から相談を受けている渡辺博弁護士らは、教祖と日本国内の責任者を準強姦容疑で刑事告訴する検討を始めている。
福音を利用し教会を偽って名乗る勢力に対して日本のキリスト教界の断固とした対応と、教派を超えた脱会支援が求められる。