昨年度に精神性疾患で休職した公立小中高などの教員は3559人で、前年度から365人増えて過去最多を更新したことが、文部科学省の調査でわかった。体罰やわいせつ行為をして懲戒処分を受けた教職員は減る一方、生徒指導などでストレスを抱え「心の病」にかかる教員が増え続けているという。
文科省は「多忙な中で、保護者とのコミュニケーションや指導方法に悩んでいる教職員が多い。教職員一人一人の負担を減らすことや互いに相談しやすい職場づくりなどの対策を進める必要がある」としている。
調査によると、病気休職者は過去最多の6308人(前年比291人増)で、在職者に占める割合は0・68%。このうち56・4%がうつ病などの精神性疾患で、教員全体に占める割合は0・39%。12年連続で増加し、数、割合ともに10年前の約3倍となった。
原因について各都道府県教委は「分からない」と回答するところが多く、対策に苦慮している。ベテラン教員が学級崩壊など最近の子どもの変化に対応できなかったり、若手が職場の人間関係に悩んだりするなどの事例が報告されている。
昨年度に懲戒処分を受けた教員は前年度より133人少ない1226人で、4年ぶりに減少。懲戒免職が165人(前年度比9人減)、停職は180人(同64人減)。
訓告や論旨免職などを合わせると処分者は3701人(同640人減)。このうち交通事故が2188人が最多で、次いで体罰が420人。児童生徒を素手で殴ったり、骨折やなどのけがを負わせたりのケースが目立ち、教師と生徒の心のすれ違いが依然としてみられる。わいせつ行為が168人、日の丸掲揚、君が代斉唱に反対したとする処分は135人だった。