日本が抱える少子高齢化社会に向けて、人々が安心して暮らせる地域・社会をつくろうと、今年4月に設立されたNPO法人「支えあう21世紀の会」(堺園子理事長)の設立記念集会が4日、明大付属中野中学・高等学校(東京都中野区東中野3-3-4)で開催された。介護保険の見直しをテーマにした5人のパネリストによるシンポジウムや、聖路加国際病院理事長、日野原重明氏(94)の講演会が行われ、参加者約500人が高齢化問題について共に考える時間を過ごした。
同会は、高齢者介護のために国が導入した介護保険制度の見直し、女性が安心して働けるための子育て施策の充実などを重要課題としている。これらを国民的課題として広く一般の人々と共に考えると同時に、当事者間で互いに支えあう場を提供することを目標としている。
2000年4月から施行された介護保険制度の見直しが今年行われるにあたって、今回のシンポでは、制度の中身を参加者にわかりやすく紹介することに焦点が当てられた。介護の対象に30歳から64歳の障害を持つ人々も含まれていることから、移動手段など、介護で不足しがちなサービスの具体像についても話し合った。
この日の講演で日野原氏は「75歳以上の老人を後期高、堂々と生き生きと暮らす新老人の姿を次の世代に示していきましょう」と話しながら、高齢者である自身の立場から、いつまでも希望と勇気を持って生きる素晴らしさを参加者に伝えた。
堺理事長は「世界一の少子高齢化国である日本での高齢者の生活ぶりは世界の国々も注目している」「高齢者に対する制度を整えて、日本の後に続く国に模範となるような姿勢を示したいもの」と語った。