全国の児童相談所で2004年度に対応した児童虐待に関する相談処理件数が3万2979件に達し、前年度を6410件も上回ったことが20日、厚生労働省の集計(速報値)で分かった。過去最多を更新し、初めて3万件を超えた。
04年10月、児童虐待防止法の改正で通告義務の対象が「虐待を受けた児童」から「虐待を受けたと思われる児童」に拡大されたことなどが背景にあると同省はみている。潜在的な虐待被害の広がりが示される形となった。
虐待相談の処理件数は集計を始めた1990年度の1101件から一貫して増え続け、99年度には1万件を突破。04年度までの14年間で約30倍に増加したことになる。
大阪府岸和田市で中学3年の男子生徒が餓死寸前で保護されたことや、栃木県小山市で幼い兄弟が殺害されるなど、児童虐待に対する国民の関心が高まった影響も大きいとみられる。