米国・公民権運動の指導者、故マーティン・ルーサー・キング牧師の夫人、コレッタ・スコット・キングさん(78)からの手紙が、大阪府八尾市の市立曙川中学校(川口哲廣校長)の生徒たちに届いた。朝日新聞が25日伝えた。生徒たちがキング牧師の生涯を題材に英語を使った寸劇を演じ、その録画ビデオを同牧師の記念財団に送ったことがきっかけ。キング夫人は「大きくなったら、援助が必要な人たちを助けてあげて」と綴った。
手紙は、夫人や息子がキング牧師の死後に創設した「非暴力と社会改革のためのマーティン・ルーサー・キング・ジュニア財団」(ジョージア州アトランタ市)から4月末、英語教諭の小部修さん(現八尾市立高美中学校嘱託)の自宅に届いた。
キング牧師は1929年ジョージア州アトランタ生まれ。'55年ボストン大学神学部で博士号を取得。米国でかたくなに守られ続けていた人種隔離制度を撤廃し、黒人に選挙権を与える公民権運動の指導者として活躍した。'64年には、ノーベル平和賞を受賞したが、'68年4月4日テネシー州メンフィスで、イリノイ州出身の白人青年ジェームズ・アール・レイによって暗殺された。
1963年のワシントン大行進でのキング牧師の演説、「I have a dream : さて、わが友よ。われわれは今日も明日も困難に直面しているが、それでも私には夢があると申し上げたい 」は有名。
手紙を受け取った同校の生徒たちは「勇気をもらった」と話しているという。