中米とカリブ諸島でHIV(エイズ)感染が国家的危機をもたらしていることを受け、国連の同地域担当官僚、青年代表、各国の政策責任者らが28日(日本時間29日)ホンジュラスのサンペドロ・スラで会合を開き、エイズの拡大防止へ新たな取り組みを模索した。国連人口基金が同日発表した。
同地域のエイズ感染率は地球の西半球で最も高く、サハラ以南のアフリカに次ぎ感染率は世界で2番目に高い。エイズはホンジュラスで出産年齢の女性の主な死因となっている。全世界のエイズ感染者の57%は15歳から24歳であることが分かっている。
会合の参加者はエイズ波及防止のための地域活動の実績や将来的なあり方を討議した。太平洋地域経済協力機構(OPEC)と国際発展基金は、ベリーズ、コスタリカ、グアテマラ、ガイアナ、ホンジュラス、セント・ルシアの6カ国が実施する感染者を対象とした3カ年プログラムへ320万ドルを支援する予定。
支援を受ける6カ国は、政府、NGO、宗教関連団体の協力のもと実施され、各国の事情に合わせて調整した包括的活動を含みながら、最大の焦点を若者と社会的弱者に当てている。
会合を主催した同基金事務局長のトラヤ・アフマッド・オバイド氏は「若者は最も重いリスクを背負っている一方、必要な情報と手段の供給を受ければ、今後の感染を防ぐ鍵ともなる」と指摘した。
エイズ対策地域プログラム調整担当のマリオ・ヴァーガラ氏は「国連人口基金・OPECの共同計画は、若者の素行改善を促す革新的なアプローチを目的とする」と明かした。