尼崎市のJR脱線事故で、27日付のニューヨーク・タイムズ紙は「時間への強迫観念が原因」と題した記事を掲載、時刻表厳守の責任に対する強迫観念が事故の背景にあったと評した上で、正確性と効率性を過度に重視する日本社会に警鐘を鳴らす意見を紹介している。
記事は冒頭で「世界の国で90秒の遅れは時間通りとみなされるが、日本では数分間隔でバレエのような正確さで運行される電車に頼る通勤客にとって迷惑となる」と紹介し、定刻に固執する日本社会の特異性を指摘した。
電車が脱線した際、運転士がこの90秒の遅延を取り戻すためスピードを上げていた可能性があるとし、「運転手の時刻表への執着が招いた結果は、電車の運行は正確だが、日本国民が物事に対する、より大きな視点を忘れていることを示唆した」としている。
また「日本人はもう少しリラックスし、2、3分の遅れは問題ではないと思うようになったほうがいい」との交通問題専門家の話や「事故には日本人全体に責任がある。日本社会には余裕がなく、それが運転士が九十秒の遅れを埋め合わせようとした原因だ」との地元住民の意見を紹介している。
リンク -NewYorkTimes-
"In Japan Crash, Time Obsession May Be Culprit"