全国的な輸血用血液の不足を受け、日本赤十字社は21日、献血を呼びかける文書を発表した。同社は「血液は人工で造ることができない。献血は一人ひとりの善意で支えられ、直接人の命を救う大切な活動。ぜひ協力してほしい」としている。
今年は通常年と比べて献血者が3.6%程度減少するとみられており、最悪の場合、輸血を安定的に実施できなくなる可能性がある。献血者の多くを占める20代の人口が減少子化の影響で少。逆に、病気などで輸血を必要とする50代以上の人口は高齢化の影響で増加している。将来的には血液製剤の在庫量が長期的に足りなくなる可能性もあるという。
献血による血液の在庫は、もともと3月から4月にかけて不足しがちになる。また今年は花粉症の発生が多く、ホルモン剤の薬(抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤は含まない)を多量服用する人には献血を断らなければならないケースがある。
今年、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発症者が国内で見つかり、当該発症者が英国に滞在していたことから、厚生労働省は当面の措置として1980年から96年にかけて1日以上の英国滞在暦がある人の献血を受け付けないことを決定、5月頃からの実施が予想されている。