非戦と非武装を規定した憲法9条を守ろうと、15日、京都市内で「宗教者9条の和」が発足し、呼びかけ人の牧師、カトリック教会神父、僧侶ら16人が出席した。新聞各社が同日報じた。
呼びかけ人の村中祐生・大正大学元学長(天台宗)が冒頭であいさつ。昨年末、平和活動を展開している諸宗教者らが集い、「和」の名のもと国際社会での日本の在り方を考え一緒に行動していこうと集ったことが発端であると経緯を説明した。「9・11」テロや最近の中国の反日デモにもふれ、国際社会のなかでの日本のあり方を考える必要性を述べ、「敵をつくる文明ではなく、和をつくる文明をはっきり見定めなければならない」「憲法9条を確認して、日本の文明のあり方を考えなければならない」と呼びかけた。(京都新聞)
会見に先立つ発足式では、5項目(?憲法9条を「輝かせたい」と願う人々とその意義を語り合い思いを他に伝えたい?憲法9条が世界の文明構築に普遍的な意義を明示し指針を示していると了解したい?世界が国際化を進める中で、互いの国の平和が同義的軌範の核となることを信じたい?私どもは宗教者として平和を願う人々と真に平和のあり方を考え、共に祈誓したい?宗教者は自らの所信に遵(したが)って、平和の世界を具現するために調和と抑制を説示したい―)からなる「『宗教者九条の和』の願い」を発表した。
記者会見に出席した呼びかけ人の山本俊正・日本キリスト教協議会総幹事は「日本は戦争する国へと変ぼうしつつある。その到達点が九条の改悪」、平良仁志・日本バプテスト連盟理事長は「軍事力ではなく九条を掲げ続けることで世界に貢献すべき」と語ったほか、各界の宗教者が平和や非戦の教え、また改憲の動きに対する危惧、9条の意義などを訴えた。
呼びかけ人は15日現在55人。キリスト教界からは、山本俊正・日本キリスト教協議会総幹事(呼びかけ人世話役)、山北宣久・日本基督教団総会議長、平良仁志・日本バプテスト連盟理事長、加藤誠・同連盟常務理事、大矢和男・日本バプテスト同盟総主事、佐伯幸雄・京都キリスト教協議会会長、朴寿吉・在日大韓基督教会総幹事、三鍋裕・日本聖公会総主事、松岡俊一郎・日本福音ルーテル教会牧師、山田公平・日本YMCA同盟総主事、松下起子・日本YWCA総幹事らが名を連ねている。