日本国際飢餓対策機構は、死者3,500人を出した1988年以来の大洪水に見舞われているバングラデシュの洪水被災者への救援活動を支援することを、8月中ごろまでに決定した。機構の駐在スタッフとして11年間にわたり現地で活動を行った柳沢美登里(当機構主任研究員)は「今回の洪水は、例年よりも数週間早くかつ大規模なので、これからの大潮の時期と重なるとさらに事態が深刻になる」と洪水被害のさらなる拡大を懸念している。
すでに国土の三分の二以上が冠水状態となり、7月28日現在で洪水被災者2300万人、死者275名、避難所生活者100万人以上ともいわれる中、すみやかな支援が求められている。
■4つの緊急援助チームが活動展開中
国際飢餓対策機構バングラデシュでは、首都ダッカをはじめ、マイメンシン、チャドプール、シュナムゴンジなどの地域で、洪水によって住居を失った人々や行政や他の援助団体から支援を受け取ることのできない人々を対象に、現在4つのチームが活動を行っている。これまでに750家族に対して、食糧や日用品や薬、家屋の修復資材などを配給。最終的には4千家族まで拡大する計画を進めている。
支援の内容としては、(1)衛生予防セット(伝染病及び下痢対策)(2)食糧配布(米や豆、塩など五人家族分の食糧一週間分)(3)蚊帳(マラリア対策)(4)復興支援セット(大人及び子ども用の衣類、家屋修理資材、鶏ほか)など。
機構では、バングラデシュの洪水被害者を救済するための募金を受け付けている。今回のバングラデシュの洪水支援に関して、FHIとしては約600万円の予算で活動を始めているが、JIFHとしては、里親会をやっている地域に限定して200万円を募金目標としている。募金に関する詳細は、日本国際飢餓対策機構・大阪事務所(電話0729-95-0123)まで。
=日本国際飢餓対策機構=