山本さんは、自らの受刑体験や著書「獄窓記」(ポプラ社)執筆を通して知った日本の刑務所内の日常生活や、医療、カウンセリング体制、更生プログラム、知的障がい者の受け入れ態勢などにおける不備を指摘した。今後取り組むべき課題として、知的障がい者が関わる刑事裁判のあり方や所内の処遇改善、出所者の受け入れ態勢の整備を挙げ、福祉関係者や法人との連携が不可欠だとした。
龍谷大大学院生の桑山さんは、今年3月にイギリスのビジターズ・センターを訪問した経験から、人権法の発展で実現した受刑者家族のための支援制度や、再犯防止と社会復帰のプログラムおよびその効果に関する研究を発表し、日本でも受刑者と家族双方の権利や支援の必要性について、今後継続的な学習が必要だとした。