先日米ペンシルバニア州ランカスター郡で起きたアーミッシュ(メノナイト系プロテスタント)学校の女子児童5人が銃で殺害された事件に関して、アーミッシュ共同体が犯人に赦(ゆる)しを表明したことが明らかになった。
刑事の取調べに対して平和主義者として知られるアーミッシュの住民は悲しく残念であるが怒りは無いと語っているという。英クリスチャントゥデイが報じた。
ランカスター郡に居住する引退農夫のヘンリー・フィッシャーさんは「怒りは私達の手段ではありません。怒りは無意味です」と述べた。
彼は「車、テレビ、クレジットカードのないアーミッシュのライフスタイルは、次の代の者に謙遜な人生を歩ませるための、より平和な生活なのです」という。
フィッシャーさんは異常な事故だとして今回の事故を機に鍵などの保安を施すことは考えていないという。フラン・ベイラーさんは「アーミッシュの共同体は疑いを持たず外部から銃で襲撃することなど考えない」「私達は赦したい。そのように育ってきましたから。『善をもって悪に答えよ』と」と語った。
同地区のアーミッシュの住民マリー・ロバーツさんはロイターの取材に対して「子ども達は学校に戻り、困難なときをすごすでしょう。しかし教会や(アーミッシュの)皆は子ども達の心の大きな助けとなり、その傷に打ち勝つことができると思います」と語った。
AP通信によると事件後これまで3つの礼拝が捧げられており、合計1650人が参加。ペンシルバニア州のアーミッシュ教徒、非アーミッシュの教徒が教派を超えて神に祈りを捧げた。