5日午前3時30分から8時頃にかけて、北朝鮮が5発のミサイルを発射し、そのうち4発は日本から数百キロ離れた日本海に着弾した。
日本政府はミサイル発射の情報を入手した直後から、首相官邸の内閣危機管理センターにて情報収集と分析にあたっている。
午前6時すぎに首相官邸で記者会見した安倍晋三官房長官は、「我が国の安全保障、国際社会の平和と安定という観点から重大な問題で、北朝鮮に抗議し、遺憾の意を表明する」と述べた。
ミサイル発射に関して政府は、北朝鮮が2002年9月の日朝平壌宣言で宣言された「弾道ミサイル発射を凍結する」とした誓約を違反する行為だとし、北朝鮮に対する経済制裁を検討していく予定であるという。
米メディアによると、このうち一発は米本土を射程内におさめる長距離弾道ミサイル「テポドン2号」であった可能性があり、発射実験が失敗したために日本海沖に着弾したとみられるという。
米国務省当局筋によると、先週ブッシュ大統領が北朝鮮のミサイル発射について北朝鮮に警告を与える声明を発表したにもかかわらず、今回北朝鮮が米国独立記念日、スペースシャトル「ディスカバリー」の打ち上げに合わせてミサイル発射を行ったことから、米政府では「注目を集めることを狙った挑発行為」であると見なし、北朝鮮への制裁を視野に入れ、国連安全保障理事会の非難決議を追求する計画であるという。また、6カ国協議は当面機能を停止し、米国は日本などと連携を強め、国際社会で北朝鮮包囲網の構築を目指す予定であるという。
日米政府当局の反応から、ミサイル発射で北朝鮮が国際社会でますます孤立する道を歩んでいくことが予測される。