世界中で福音伝道者の数が不足する中、キリスト教各宗派指導者らはフルタイムで福音を伝播する指導者の育成をなおざりにする傾向があると一人のアジア宣教師は指摘する。
世界宣教を伝えるオンライン情報誌"Lausanne World Pulse"に書かれた福音伝道協会(GoodNews Evangelistic Association)会長クマール・アブラハム博士のコメントによると現在、伝道師を教育して各地に派遣することがあまり活発には行われておらず、福音伝道者らは何の教育もなしに独自で福音宣教の能力を磨かなければならない状況だという。
福音伝道協会では、世界最大級の福音宣教会ビリー・グラハムセンター及びルイス・パラオ協会と共同活動を行っており、アジア太平洋で現在実際に宣教している福音伝道者らを啓発する活動を行っている。また今週末には、宣教師に新たな宣教の情熱を与えるための集会"The Second Asian Advanced Institute for Evangelists"がフィリピンで15日間にわたって開かれる。
アブラハム会長は「一般的に福音伝道に関する教会の取り組みが消極的であることが伺えます。そのために福音伝道者を教育するための教材の質が低下することになります。個人的な宣教、神学、カウンセリング、教育に関する本ならば何千冊もあるでしょうが、福音伝道に関する本はそれらに比べてはるかに不足しています」と指摘した。
アブラハム会長によると、地元教会ではこのような状況を改善する方法がなかなか見つからないという。また教会の牧師や神学者、その他の聖職者に比べて伝道者はそれらに相当する地位が与えられていないことも指摘し、「教会が建てられて以来、福音伝道者への神の命令は明白です。『福音をまだ主イエスを知らない人々に対して宣べ伝える』ことです。しかしながら、教会が進化して伝道者が絶滅の危機に瀕していると気づくまで、伝道者がまるで使い捨て商品のようにされていたのです」と述べた。
これらの対応策として福音伝道協会では、福音伝道者の生活と使命を教えるために福音伝道の経験豊富な教師を集めている。"Second Asian Advanced Institute for Evangelists"参加者らは、アジアの多くの福音伝道者らとのネットワークを作り、福音伝道会議に参加するという。
アジアは世界人口の60%を抱えていることから、アジアのキリスト教に関する米国人広報官サミュエル・ヒュー・モフェット氏は、アジアを「宣教の未来」を代表する地域だと述べた。現在、アジアの人口の大部分は未だノンクリスチャンではあるが、韓国を中心としてアジアにおける宣教の熱意は急速に高まっている。韓国では年間1100人もの新しい宣教師が派遣されており、これは米国に次ぐ多さである。今後のアジア宣教に期待が高まる。