福音協会理事長のヨエル・エドワード牧師が、英国国教会の奴隷貿易における過去の立場についての謝罪を受け入れた。英福音協会指導者は英国国教会がこのような謝罪をしたことを「悔い改めることは新たな一歩の始まりである」と賞賛した。
英国国教会は奴隷貿易が200年前に廃止されてからも今まで「非人間的で恥ずべき」奴隷貿易で利益を得てきたことに対し謝罪した。
エドワード牧師はこの謝罪について賞賛の意を表したが、この問題はこれで収まるべきではないとも述べた。彼は、全てのイギリス人キリスト教徒に将来を見据えて全ての人種差別を撤廃し、人種差別が完全に過去のものとなるために共に活動するように呼びかけ、「私は国家的な謝罪について複雑な感情を抱く傾向があります。というのもこれらの問題が白人自由主義者と黒人活動家のみの問題となってしまう恐れがあるからです。奴隷貿易に関して私は、英国国教会がこれ以上この問題を棚上げにせず謝罪したという行為は正しいと思います。悔い改めは新たな一歩の始まりです。しかしこれで終わったわけでは決してなく、キリスト教徒が将来にわたって人種差別を撤廃するという教会の任務に積極的な方法で関わっていくことは非常に重要です。人種差別撤廃はただ騒ぐだけではなく、福音によって意味をなすのです」と語った。
世界7700万人のアングリカンコミュニオン信徒の指導者、カンタベリー大主教のローワン・ウィリアムズ氏は、教会は「私たちの祖先の恥と罪深い行為」を共有する義務があるとし、「これは過去を帳消しにしたいという政治的な品行方正の問題ではない。私たちは悔い改めに関してキリスト共同体としての共通の認識をもつべきである」と先週水曜日、ロンドンの総会で発言したという。
350年にわたり、1000万人以上の人々が奴隷としてアフリカから連れ出されてきた。英国国教会総会では毎年8万人の人々が砂糖や綿花農園での労働のために売られてきたという。
ヨエル・エドワード牧師は「奴隷貿易撤廃から200年の記念にむけて、英国国教会だけでなく全てのキリスト教徒にとってこのことは大きな挑戦となります。私は全てのキリスト教徒に対し、1807年の奴隷制度撤廃を確かなものとするための行動を喜んで行うことができるよう奨励したい。祖先は我々に誇るべき遺産を残してくれましたが、一方で、我々は栄誉ある側面だけにうぬぼれていてはいけません。奴隷制度はあらゆる形式において現在の世の中でもまだ行われていることを深く認識し、政府組織に対して対策を取るよう訴え続けなければなりません」と述べ、キリスト共同体が共に奴隷制度の実質的な撤廃に向けて全力で取り組む必要があると訴えた。