創造主によって与えられた「いのち」の尊さを伝え、創造論を基にした教会形成を目的とする伝道団体「いのちありがとうの会」の発足記念講演会が12日、お茶の水クリスチャンセンター8階で行われた。教職者を含む関係者ら71人が参加。同団体の代表を務める堀越暢治師(創愛キリスト教会主任牧師)をはじめとする5人の理事が、神が人間一人ひとりに与えられた「いのち」の大切さ、驚くべき身体の緻密さと、進化によって生まれた存在としてではなく神の創造によって生きている人間の、体の隅々にまで及ぶ神の愛を伝えた。
はじめに、創造論伝道団体「バイブル・アンド・クリエーション」代表の赤江弘之師(日本同盟基督教団、西大寺キリスト教会主任牧師)が「ようこそおいでくださいました」と会場にあつまる参列者に挨拶をし、「『いのちありがとう』という言葉は本当に素敵だなあと思います」と会が発足されたきっかけを説明した。
赤江師は、「日本社会は豊かになりはしたものの、凶悪犯罪が増加してしまいました」と現代社会が抱える問題の深刻さを説明し、「その根元は何かということに触れられていないのではないか」と原因の探索を促がした。同師はその根源的な原因を「生活から、いのちの尊厳が損失されている」ことだと語った。
赤江師は、日本の多くの人々が「自分は何のために生まれたのか」をはっきりと分からず、「生きる意味」を見失ったまま暮らすのは、進化論に影響されて「あなたのいのちはたまたま偶然生まれてきた」という考えを前提に生きているからではないかと指摘した。
「岩の上に家を建てるか、砂の上に家を建てるかでその家の価値が決まります。人間の多くが『進化論』という砂の土台に家を建ててしまったために、万物の創造主から離れてしまいました。進化論を受け入れたために人間は造り主を見失い、『いのち』の誕生を偶然としてとらえるようになりました。こうして悪循環が形成されてしまったのです」と赤江師は語った。さらに、「拠り所がこわされたら、正しい者に何ができようか」という詩篇11篇の御言葉を引用し、現在の社会問題の多くは進化論を信じているために生じた結果であると主張した。
「しかし、人間が創造論を基礎として生きるならば、いのちの大切さを知り、日々喜びと感謝を感じながら生きることができる」と赤江師は語る。「人間は神によって愛の対象として造られた。その愛のためにいま生きている」ということを知る時に、生きる喜びと開放感が生じる。創造論を受け入れることで、進化論を信じることに伴う「悪循環」から「好循環」に転換し、いのちを与えられた神に「ありがとう」と感謝することができる。
最後に赤江師は、「私たちは神の最高の作品として作られました。このような時代だからこそ、いのちの尊厳を力強く伝えることが必要です。クリスチャンもそうでない人たちも、『創造主によって造られた尊い存在である』という共通意識のもとに一つになり、協力して世界を変えていくべきです」と訴えた。
今回発足した「いのちありがとうの会」は、いのちの大切さを伝える「エターナルライフプロジェクト」(代表:堀越暢治師)と、創造の世界を伝える「バイブルアンドクリエーション」の2つの働きを合わせ、創造の主を伝えながら正しい教会形成に至る働きを担うことを目的としている。