昨年12月にバーミンガム大学のキリスト教組織クリスチャンユニオン(CU)の大学による承認が取り消されたことで、今週CUは大学キャンパス内の冷え込むテントの中で活動せざるを得ない状況になった。
バーミンガム大学学生組合スチューデントユニオンギルド(SUG)はCUの活動規約が十分ではないことからCUの活動の停止を命じ、CUの銀行口座を閉鎖した。とりわけCUの規約の中にLGBTと言われる同性愛者、両性愛者、トランス・ジェンダー(自己の性と心の性の不一致から、反対の性で生きようとする人)に対する言及がどこにもないことが問題であるとしている。
またSUGはCUが使用している"men(男性)","women(女性)"という言葉遣いに対しても、LGBTの学生の存在を無視しているとして非難している。
このことについてCUはSUGが言いがかりをつけてCUの執行部にSUGの推薦者を加入させたいだけなのだと主張している。
SUGによるとCUはキリスト教以外の信仰をもつ人々にも開放的であるべきであり、"men"、"women"という言葉の代わりに"people"という言葉を使用することでLGBTの学生も受け入れられるようにするべきだと非難している。
英大学クリスチャンフェローシップ(UCCF)のスタッフのアンディ・ウェザレー氏はこの状況に対し、「一クリスチャンユニオンとして、私たちはその会員をイエスキリストに対する信仰を証しする人々に限定している。どのような組織であってもその組織の方針、焦点を受け入れることのできる人々のみを会員とすることができるというのは基本的な権利であるはずである。私たちはこの権利が宗教倫理的な組織だけでなくスチューデントユニオンのすべての組織において守られていると信じている。私たちの集会は全ての人たちに開放的であるが、クリスチャンユニオンの方針を決めるための投票権や指導者を決めるに至ってはこれらのことを実行できる人は自分をキリスト教徒であると宣言する人々に完全に限定しなければならないと考えている」と英紙「チャーチタイムズ」に報告した。
UCCFの提携団体であるバーミンガム大学CUは事務弁護士に対し、学生組合は資金をCUに返すべきだとし、CUが正式に復帰できるための民主的な解決法を見出すために司法手続きを取ろうとしている。
CUに割り当てられた運営資金は5000ポンドあるはずであるが、SUGからは100ポンド未満しか実際に分配されなかった。そのため現在CUの運営資金は個人や教会からの献金によって賄われている。
SUG会長のリチャード・エンジェル氏はCUを承認しないとした決定に対して、「性別が何であるかを決定するのは学生個人にかかっている。LGBTの学生はCU以外の団体であればどの団体でも加入できるのだから、CUでも同様にLGBT、ヒンズー教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒を含むどんな学生も会員になれるようにすべきだ」と述べたという(チャーチ・タイムズ)。