米NBC局で放送されていた「ブック・オブ・ダニエル」が多くのメディア会社や保守派団体からの反発を受けて放送中止に追い込まれたのに引き続き、ミシシッピ州に拠点を置くアメリカ家族協会は近々放送予定のキリスト教保守派司会者としてポップスターのブリトニー・スピアーズを抜擢した"Will&Grace" という題目で放送されるトーク番組風ドラマを非難した。
NBC局は1月31日のプレスリリースで、4月13日放送予定の同性愛をテーマとしたドラマで、キリスト教徒のアナウンサー役としてブリトニーが13日の番組の主役的存在で登場すると発表した。ブリトニーはキリスト教テレビ局に買収された架空のテレビ局で、同性愛を話題とするレギュラートーク番組の司会をするジャックのアシスタントにクリスチャンアナウンサーの役で登場する予定だという。
アメリカ家族協会(AFA)はこれは4月14日の聖金曜日を前にして「キリストの十字架の死を蔑むこと」であり、「キリスト共同体をさらに中傷することになる」として非難している。
一方NBC執行部はAFAで指摘されたような内容を含む番組のスクリプトも番組構成も作られていないと主張している。
NBC広報官はロイター通信に対し、「4月放送予定の"Will&Grace"に関して未だ番組内容は具体的に考えられていないのにもかかわらずプレスリリースでキリスト教団体に誤解を招くような誤った情報を流してしまった」と述べた。今までに番組内容として決められていることは、ブリトニーが4月の"Will&Grace"番組内で中心的役割をするだろうということだけであるという。
これに対しAFA議長ドナルド・E・ウィルモン氏は、「NBC局は我々に番組内容の記述に関して彼ら自身のプレスリリースの内容を知らなかったといって番組内容発表に誤りがあったと信じ込ませたいと思っているが、これは筋道が通っていない。NBCは提携各社に対して第二の「ブックオブダニエル」のように広告収入としての何百万ドルを失いたくないだけである」と述べた。
AFAのホームページにはAFA支持者にNBC提携各社にこの番組放送を断るように、またNBCに抗議文を送るように呼び求めた。一方でNBCはこの争論は厳密に検査せずに行った不正確なプレスリリースが原因だと主張している。
NBCは新番組「ブックオブダニエル」を3回放送し、その後の放送を打ち切った。このドラマは薬物中毒になった米国聖公会司祭がイエスと対談する内容で、番組内容のキリスト教に対する不敬虔さから米キリスト教団体のみならず、提携各社、広告主、一般視聴者から激しく非難された。
一方、ワールドネットデイリーによると現在ブリトニースピアーズは24歳で、TV番組「ミッキーマウスクラブ」にレギュラーとして出演。ポップシンガーとして登場し、その後2002年映画「クロスロード」で主役を演じた。今回の"Will&Grace"はブリトニーにとって最初のゴールデンアワーにおけるドラマ出演であるという。