米国で「National Day of Climate Action(気候対策の日)」となった14日、全米50州各地で市民たちが決起集会を行い、地球の温暖化防止問題を米連邦議会で話し合うように強く要求した。AP通信によると、この日は全米中で1300以上の集会が催され、教会や宗教関連団体なども含む市民グループのメンバーらが、「Step It Up 2007 Congress(『温暖化防止を考える連邦議会を開催せよ』という意味)」と書かれた垂れ幕を掲げて町中を歩き回り、2050年までに二酸化炭素の排出量を80%削減するよう訴えた。
集会を行った団体の多くは学生グループや市民団体など。しかし一方では、ハワイ州ホノルル市の教会や、米五大湖地方のミシガン州北部地域一帯にある130の教会とネットワークを持つ団体など、教会や宗教関連団体からの参加も見られた。
ある宗教団体の指導者のひとりは、「気候変動は倫理的価値観の問題だ」と声明で発表しており、さらに「教会や宣教団体からの参加が多いことは、それだけ彼らにとって注目すべき話題であり、関心を持って対処すべき問題であるということだ」と語っている。
決起集会「Step It Up 2007 Congress」は開始当初は草の根的な要素が強かったが、口コミやEメールのやり取りを通して知人の間やネット上で活動の輪が広がり、次第に組織化されていったという。同イベントの発起人であるビル・マッキベン氏は、「今回の運動にたくさんの方々が参加してくれたことは必ず連邦議員たちに聞き届けられるでしょう。手遅れになる前に、米国は地球温暖化問題に対する政策の方針を転換させ、二酸化炭素の排出量削減に向けた取り組みを強化する必要があります」と声明で訴えている。
米国は世界全体の二酸化炭素排出量のうち4分の1を占める世界最大の温室効果ガス排出国であるが、先進国の排出削減義務を定めた京都議定書を01年に脱退しており、米国内では地球温暖化の防止を目指す市民団体の動きが活発化している。また、教会や宗教団体も地球温暖化問題に関心を持ち始めている。