「成人のための教育」の場として銀座の聖書館ビルに昨年6月に開設された学校法人恵泉女学園の「恵泉銀座センター」で、今月から07年度春の講座が開講し、キリスト教関連の5つの講座が始まる。
07年度春のキリスト教関連講座には、女性の視点に立った聖書研究の第一人者として知られ、聖書協会理事もつとめる一色義子・同学園理事長の「イエスを信じた女性たち」や、川田殖・同学園学園長の「聖書の心に出会うために〜スタディー・バイブルを読み合わせる〜」などがある。
一色理事長の講座「イエスを信じた女性たち」は、福音書、使徒言行録、パウロの手紙などを中心に読みながら、イエスを信じた初代教会の女性たちを見ていく。また、川田学園長の「聖書の心に出会うために」では、人を変え、社会を変え、新しい世界を形成するほどの力を持った聖書の言葉を創世記の族長物語から、スタディーバイブルを手引きに読んでいく。
ほかにも、遠藤周作の小説「深い河」や名画「フラ・アンジェリコの受胎告知」などを取り上げ、日本文化と聖書を比較し、「永遠の生命」や「隣人」というキーワードを中心にイエス・キリストのメッセージを考えていく「<永遠の生命と隣人>〜日本の私たちの文化と聖書の対話〜」(湯浅裕子氏)、「アメージング・グレイス」や「きよしこの夜」、「荒城の月」など多数の歌を取り上げ、歌詞の原語と訳の説明もあり楽しく歌いながら賛美歌を学ぶ「賛美歌・唱歌ものがたり」(大塚野百合・同学園名誉教授)、少人数・マンツーマン形式で基本を学んだ上で、聖句や賛美を筆を用いて表現していく「恵泉聖句書道教室」(二見采えん氏)の3講座がある。
「賛美歌・唱歌ものがたり」は12日、「恵泉聖句書道教室」は5日にすでにその第一回目が始まっており、「イエスを信じた女性たち」は26日から、「聖書の心に出会うために」は14日から、「永遠の生命と隣人」は19日から開講する。
「聖書の心に出会うために」はすでにキャンセル待ちとなっているが、他の4講座は現在も申込み可能。各講座とも途中からの受講、1回のみの受講も受け付けている。
昨年に初めて行われた06年度秋の講座では、「能ドラマと聖書の響き合い」(湯浅裕子氏)、「聖書の言葉で生かされる日々」(一色義子・同学園理事長)、「恵泉聖句書道教室」(二見采えん氏)の3つキリスト教講座が行われた。
受講者からは、「聖書を学びながら、女性のキリスト者としての生き方も講義していただき、勉強になりましたこと厚く感謝申し上げます」、「ご自分の言葉でご自分の体験を交えたお話ですごく心にしみました」などの感動の声が寄せられた。
恵泉銀座センターでの講座はキリスト教関連の講座以外にも、「キャリアと女性」、「語学・教養」、「工芸」とカテゴリ別の講座が用意されており、センターの所在地「銀座」に関した特別講座も開かれ、07年度春には合計39の講座が行なわれる。
センター関係者は、「銀座という魅力的な場所で、さまざまな方々との出会いの喜びを通して、『成人のための教育』に力を注ぐ恵泉女学園の姿勢を知っていただきたいと願っています」と、昨年始まったばかりの同センターの新しい取り組みに期待を寄せている。