今年奴隷制廃止200周年をむかえ、国内で今まで以上に奴隷制に関心が向けられている英国で、ロンドン市の教会と諸団体が連合して経済的格差の問題解決に取り組む活動団体「ジャストシェア(JustShare)」が、児童労働や債務奴隷などいわば「現代奴隷制」とも呼べる体制の廃止に向け、来月のメーデーに行うイベントへの参加を呼びかけている。
ジャストシェアは、「ロンドンの経済は確かに奴隷貿易によって発展した。しかし、ロンドンは18、19世紀の奴隷廃止運動にも加わった」と述べ、過去に奴隷制という過ちを犯したが、しかしその廃止に向けての運動も世界に先駆けて行なったロンドンが、現代の奴隷制にも注目し具体的な行動をするよう求めている。
来月のメーデーには、ロンドンの中心である王立取引所の前で行なわれるイベントにロンドン市内の諸団体が参加し、世界経済における「現代奴隷制」廃止のための重要な役割をはたすよう市民に呼びかける方針だ。
イベントには、元国際開発大臣のクレア・ショート下院議員や、講演も予定されている福音同盟会代表ディレクターのジョエル・エドワーズ師らが参加するという。
ショート下院議員は、「世界中で、児童労働や債務奴隷に関係している人、また労働者に組合の結成を許さないような人々が、数百万人もいる。これが現代の奴隷制だ」とし、また「ロンドンがもっている影響力は、児童労働や債務奴隷の廃止に大きな助けになるであろう」と現代の奴隷制度を廃止するためにはロンドンの力が必要であると述べている。
ジャストシェアは、ロンドン市内の銀行や金融機関などに積極的に働きかける団体として知られ、定期討論会やセミナー、その他様々なイベントを開いて、社会的弱者の側に立った公正な制度設立などを呼びかけている。