昭和の宗教弾圧6・26事件、その激しい弾圧の中でも決して揺るぐことのなかった先輩諸聖徒の信仰を受け継ごうと、第15回「ホーリネス弾圧記念聖会」が25日、淀橋教会(ウェスレアン・ホーリネス教団、東京・新宿区)で開催された。ウェスレアン・ホーリネス教団、基督兄弟団、日本ホーリネス教団が共催。
午後3時からの講演会では、日本同盟教団招待キリスト教会の趙南洙(チョナムス)牧師が、「今問われている韓国教会の罪責」と題して講演。朝鮮における日本の宗教政策を見ながら、その激しい迫害の中でも神の御言葉を伝え続けた少数派教会による抵抗運動、また韓国教会が悔い改めるべき罪の姿を浮き彫りにし、現在にも続く教会の問題をするどく指摘した。
趙牧師は講演の中で、朝鮮における日本の宗教政策による激しい弾圧の歴史にふれながら、その迫害に屈することがなかった、少数派による韓国教会の抵抗運動について語った。
当時90%ものクリスチャンが神社参拝をしていたという中で、抵抗運動を行った教会は聖書に基づいた、まことの真実なる神の御言葉を伝え続けていた。その説教のポイントは、?生けるまことの神のみ、?神の御言葉のみ、聖書のみ、?ただ神の恵み、?終末信仰、?殉教覚悟、?民族の痛み、慰め、これら6つに集約することができるという。
しかし韓国の大部分の教会には多くの負の遺産がある、と趙牧師は指摘した。韓国教会ではしばしば、弾圧による仕方ない日本帝国主義への協力であり、神社参拝であったと弁明し続けているという。
趙牧師は、今の韓国教会が悔い改めるべき罪責として、?教会共同体による偶像崇拝の罪、?教会指導者たちが神道の禊(みそぎ)とお祓い(はらい)を受けた罪、?神社参拝の勧誘運動と密告の罪、?神のことばを加減した罪、?侵略戦争に協力した罪、?真の伝道者を免職、除名した罪、?教会の純潔を守るための戒規をしなかった罪、以上7つをあげ、これらに対する神の前でのまことの悔い改めが必要だと訴えた。
世界教会史の中でも韓国教会の成長は高い注目を集め、様々な研究分析が行われている。実際、韓国では多くの殉教者があり、その迫害の歴史が教会成長のひとつの要因だといわれる。
しかし趙牧師は今の韓国教会に対し、さらに真剣な、心からの悔い改めが必要だと主張した。今日の韓国教会の深刻な世俗化の中にも、その必要性が感じられるという。
最後に趙牧師は、「(韓国教会が)、今問われているその罪責に真剣に悔い改めるキリストの花嫁になってほしい」と語った。
講演の後に行われたパネルディスカッションで、ウェスレアン・ホーリネス教団玉川キリスト中央教会の本間義信牧師は、戦時中日本でも行われた教会の神社参拝について、「日本ではどのように悔い改めたのか、もう一度確認する必要がある」と新たな問題を提示した。
また、「弾圧の歴史を学びながら、日本のキリスト教会は何を目指そうとしているのか」との質問に趙牧師は、「若い世代が、先輩の信仰がどれほど立派だったのか、魅力的な教会、その情熱がどこからあったのか、それを考えて継承させていけたら」と学びの意義を語った。また、現代の若者が置かれた状況について、「物質的な、目に見える迫害はない。しかし、様々な文化、よくないものの誘惑がある」「自らが直面する課題、それに聖書からの答えを得た先輩の信仰を持たせたい」と将来教会の担い手となる若者に期待を寄せた。