31日にお茶の水クリスチャンセンター(OCC)8Fホールにて開催された、クリエーション・リサーチ・ジャパン(以下CRJ)主催の春の一日セミナー2007の午前のセッションにおいて、CRJ理事の安藤和子氏に引き続き、同理事の宮本武典氏(日本女子大学理学部物質生物科学科教授)が講義を行った。宮本氏は「箱船から出てきた動物たち」をテーマに、創世記8章に記された洪水後の世界について解説。教団・教派を超えて集まった170人以上の参加者らに対し、「ダーウィンのめがねをはずせば(創造の世界が)見えるようになる」と訴えた。
預言のとおり第二の月の17日に雨が降り始めてから150日目の終わりに水が引き始めた。そしてその翌日の第七の月の17日に箱船がアララテ山の上にとどまった。このことに関して宮本氏は、「主イエスキリストが復活されたのも第七の月の17日だと言われています。何らかの因果関係があるのでは」と意見を述べた。
また宮本氏は、水が完全に引くのを待っていたノアが最初にカラスを放ったことに言及し、「ノアはカラスの特徴をよく知っていた」と主張。同氏はカラスが水を嫌わないことを野外観察によって明らかにし、「ノアは主に与えられた知恵により動物の性質をよく知っていた」と説明した。続いて宮本氏はノアが鳩を放ったことに触れ、「鳩は乾いた野原を好むため、鳩がすぐに戻ってきたことを見てまだ地が乾いていないことをノアは悟ったのです」と述べ、ノアは上よりの知恵によりカラスや鳩の性質をよく知っていたのでカラスの後に鳩を放ったと解説した。
さらに、水が乾ききった後に動物たちが「種類にしたがって」箱船から出てきたことに触れ、「創世記1章にも『種類にしたがって』というフレーズが多く出てきます。このことばは創世記1章以外ではここだけに使われています。つまり、創造のはじめと同じことがノアの洪水後にもう一度始まったことを意味しています」と、神による再創造の世界を主張。そのうえで「箱船から出てきた動物たちは創造(バーラ)の初めと同じ種類(ミーン)の動物たちだったので、バラミンと呼ぶのがふさわしい」と結論付けた。
他方宮本氏は、「創世記8章の記述から洪水の水が極めて急激に引いたことがわかる」こと、「地球の環境を穏和に保ってきた上の水がなくなった」ことに触れ、このことにより地球に急激な環境の変化が起こったと訴えた。その証拠として同氏は、ノアの子孫たちの寿命が急激に短くなったことを取り上げた。聖書にはノアは950年、メトシェラは969年、アダムは930年と、ノアまでは人間が900年以上生きたことが記録されているにも関わらず、ノアの子孫のセムから寿命が急激に低下し、セムの子孫であるテラは205年、アブラハムは175年と記録されている。宮本氏はネーチャー誌に掲載されたマウスでの最近の研究を例に挙げながら、「(聖書に記されている)人間の寿命の急激な低下は、大洪水の影響による環境の急激な変化のためであると考えることは、現代科学に照らしても矛盾しない」と語った。
最後に宮本氏は「ダーウィンのメガネをはずせば見えるようになる」と述べ、進化論に固執せずに広い視野と寛容な心で聖書を読むことと、創造論を知ることの必要性について人々に訴えた。