銅版画家・造形作家?橋文子さん(バイブルアンドアートミニストリーズ会員)の版画個展が1月30日から東京・銀座のギャラリーUP・S(中央区銀座8-11-13山田ビル3F)で開催され、初日からおよそ80人が会場を訪れた。会場では未公開作品6点を含む全13点が展示されている。
全作品に共通のテーマは「光の結ぶ実」。会場の壁の片隅には新約聖書エフェソの信徒への手紙5章8〜9節の聖句が書かれている。作品に表現されている光と闇の鮮やかな対比が見るものをひきつける。光は真理を、闇は人間の罪性を象徴しているという。
高橋さんは作品を通して、人間の暗い罪なる姿が、神から来る真理の光によってやがてすべてが明らかにされ、輝く光へと変化するという聖書のメッセージを伝えたいという。
?橋さんは、大学を卒業した1996年から個展活動を行っている。?橋さんの作品のもう一つの特徴である器をモチーフにした構図は、その翌年の97年、ある本に出会ったのがきっかけで始まったという。そこには旧約聖書イザヤ書64章7節の聖句「しかし、主よ、あなたは我らの父。わたしたちは粘土、あなたは陶工。わたしたちは皆、あなたの御手の業。」が引用されていた。このように聖書ではしばしば人間を器にたとえている。
?橋さんの作品には光と闇にまたがる大きな器が描かれている。そこには、真理の光によって照らされて光となった自分と、救われてもなお自分の中に深く残る罪の習慣、捨てきれない罪性の二つの狭間に立つ信仰者の内面がはっきりと表現されている。
またその器の中には、さらに小さな器が描かれている。大きな器が教会だとすれば、小さい器はその教会を構成する聖徒一人ひとりを象徴するという。作中に込められたメッセージの深さがここから伺える。
来場者からは「光と闇がとてもはっきりと区別されている」「光の色使いがとても温かく感じる」などと感想が寄せられた。
?橋文子版画個展「光の結ぶ実」は2月5日(日)まで、月曜から土曜は正午から午後8時、日曜は午前11時から午後3時まで開かれる。入場は無料。