英国のキリスト教慈善団体「涙の基金(Tearfund)」が3日、英国成人の7人に1人が月に1度は教会に出席し、約300万人が何らかの招待を受ければ教会に出席するという世論調査「英国における教会への出席(Churchgoing in the UK)」の結果を発表した。
「涙の基金」の調査によると、英国成人の半数以上にあたる2620万人(53%)がキリスト教徒であると答え、英国の非宗教的な印象とは反して、キリスト教が依然として英国の主要な宗教であることが明らかになった。
調査では、英国の成人のうち7人に1人(760万人)が月に1度は教会に出席し、そのうち10人に1人(490万人)は週に1度は教会に出席するという結果が得られ、また成人の4分の1に相当する1260万人が年に1度は教会に出席するということがわかった。また、現在教会へ通っていない人、または教会へ出席したことがない人のうち300万人が、教会への招待を受ければ教会へ出席することを考えると答えたという。
オックスフォード大学で神学の教鞭もとる、「涙の基金」のイレイン・ストーキー代表取締役は、「現在、英国人が教会についてどのように考えているのか、またなぜ教会に出席するのか、さらには何が人々と教会のつながりを最も後押しするのかを検討する上で、今回の調査は非常に有用である」と述べた。
また、「涙の基金」のマシュー・フロスト最高経営責任者は、「この調査で明らかになったことは、英国がキリスト教の信仰を堅固に持っているということだ。我々は教会と協力しながら、世界中の最も貧しい地域における貧困や不正と闘っているが、これは貧困と闘っている世界の様々な教会を支援する英国の教会からのボランティアや祈り、献金がなくてはできないことで、今回の調査は、涙の基金にとって大きな励ましとなる」と述べた。
さらに調査報告書の冒頭でスティーブン・クロフト氏は、「この涙の基金の調査から大きな励ましを得られる。英国では依然としてかなりの人々が1年の間に定期的にまたは時折、教会に出席しており、キリスト教徒は今のところは他の人が指摘するようなごく少数派ではないということだ。この統計は教会だけではなく、国民的議論や国政においても大きな関係を持ってくる」と述べた。
世論調査「英国における教会への出席」は、06年2月8日から3月5までの間、英国の16歳以上の成人7000人を対象に行われた。