現代の最も優れたドキュメンタリー写真家の1人として世界的に高い評価を得ている野町和嘉さん(高知県幡多郡出身)の特別写真展「祈りの大地―バチカン・エチオピア―」が、26日より5月22日まで、「紙の博物館」(高知県いの町)で開催中。野町さんが「祈りと大地」を題材に30年にわたり世界中を旅して撮影した写真作品を展示する。
作品は、カトリック世界の頂点であるバチカン、アフリカの孤立した高原で受け継がれてきたエチオピア正教が中心。バチカンとエチオピアを対比させ、「祈りとは何か」を問う。他にも祈りをささげるローマ前教皇、故ヨハネ・パウロ2世の生前の姿など合わせて約70点を展示。
写真展開催にあたり、野町さんは「バチカンはキリスト教の聖地。西洋文明のエッセンスが集約されている。善悪はともかく、キリスト教が近代世界を引っ張ってきた力を感じた」と話す。
野町さんは前教皇について「不世出の、偉大な宗教家。東西冷戦終結や他宗教との和解に尽力するなど大きな業績を残した。死去は世界に大きな衝撃を与えただろう」と語った。
関係者は「日本人が違う文化を理解し、尊重するきっかけになれば」と話している。 会場は月曜休館、開館時間は午前9時〜午後5時。入場料は大人520円、小学生〜高校生100円、小学生未満無料。問い合わせは「紙の博物館」(088・893・0886)。