内向的な人と外交的な人はそれぞれ異なる星から生まれ出てきたのかと感じることがある。この二種のタイプの人々が互いに結婚し、夫婦の関係を築いたときには、タイプの違いを意識しなければ、互いの行動にすぐに苛立ちを覚えるに違いないだろう。
個人的な経験から言わせていただくと、私は妻のゲイルと結婚して32年になるが、彼女は外交的であり、一方私は内向的である。結婚生活の初期の段階ではこのような相違が不和の原因となる。幸いなことに私たちの結婚生活は奇跡的に長く続いている。
多くの人々は私が会社のCEOであり、大勢の人前で話す機会が多いから外向的な人だろうと見なすが、実のところはそうではない。そして私は多くの指導者たちが、実は内向的であることを知っている。彼らは必要性に駆られて外向的になるスイッチをつけることができるだけであり、本当は人混みを避け、スポットライトの当たらないところでひっそりとしている方がずっと心地が良いのである。
では内向的な人と外交的な人の違いとは何だろうか?それはどんなことによってその人が力づけられるかにかかっているといえるだろう。ご自身に問うてみていただきたい。「ひとりでいるのと他人と共にいるのと、どちらの方が力づけられるか?」あるいは「ひとりでいるのと他人と共にいるのと、どちらが疲れるか?」
私のような内向的な人間はひとりでいる方が力づけられるし、他人と一緒にいると疲れる。一方で妻のゲイルのような外向的な人の場合は、他人と一緒にいる方が力づけられるが、ひとりぼっちになるとかえって疲れるのである。
これは絶対的な原則ではないにしろ、一般的な傾向として言えることである。私も他人と共にいることで楽しみを覚え、彼女もひとりでいることで楽しみを覚えることもあり、どちらか一方だけが絶対的に力づけられるとか、疲弊させるというものではない。
私の場合は小さな打ち解けあった親しい友達の間で時間を過ごすことを心地良く思う。知らない人と会うことにはあまり興味がない。幸いなことに私には多くの友人がいる。一方ゲイルの場合は知らない人は「まだ会ったことのない友人」であると見なし、初めて会う人と会うことが大好きである。より多くの知らない人と会えば、より楽しくなるのである。
私は長期休暇があれば、どこかふたりきりになれるところにでかけて人目を避けて過ごしたいと思う。本を読んだり、静寂に包まれた場所を散歩するなどして過ごしたい。一方ゲイルは長期休暇に旅行に行けば地元の人たちと会って話をしたり、観光客のためのアクティビティに進んで参加することを好む。たくさんの催し物があるほうが、彼女にとって楽しいのだ。
教会の礼拝に行けば、教会の中の多くの人たちに囲まれているのは疲れるので、なるべく早く礼拝後に帰りたいと思うが、ゲイルの場合は礼拝後のお茶の時間を待ちきれないでいる。お茶の時間を非常に大事に思っており、もし彼女が教会から帰る最後の人とならなければ、「だまされた」と残念に思うタイプなのである。
私と私の妻のゲイル、どちらの見解が正しいのだろうか?
答えはどちらでもないといえるだろう。真実を言えば、両方の見解が必要なのである。私たちの結婚生活は互いにとって精神文化を豊かにするものとなった。なぜなら私たちがこの二つの価値観を共有できたからだ。私のもつ内向的な性格は私たち二人の関係を深くし、私たちの魂を育てるのに役立った。一方ゲイルの外向的な性格により、私たちがただ二人の関係にとどまらず、他者のために焦点を合わせることに貢献した。そのように異なる見解を共有し合うことで、互いに仕え合うことができた。
もしあなたの配偶者や同僚が内向的な人であるならば、彼(彼女)がより社会的に振る舞えないことで罪を感じないようにするために、ひとりになる場所を与えてあげる必要がある。一方あなたの配偶者や同僚が外向的な人であるならば、彼(彼女)が自分に対して気まずい思いをせず気持ちよく自分以外の人と会うことができるように、あえて自分の下から離れさせてあげて、より自由に他人と社交する時間を与えてあげる必要がある。
互いの性格の違いによって憤ることなく、違いを受け入れてあげることが重要である。
(本コラムは米クリスチャンポストから翻訳しています)
トーマス・ネルソンCEO マイケル・ハイアット氏
トーマス・ネルソンは世界最大のキリスト教書籍出版会社である。米国内では書籍出版貿易で第7位となっている。同氏のブログ(http://michaelhyatt.com)、指導者として必要な福音的思考法やウェブサイトによる効果的なビジネス法、出版業界に関するトレンドなどを紹介している。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
東京で初の「赤ちゃんポスト」「内密出産」 賛育会病院が開始、国内2例目
-
ミャンマー地震、ハンガーゼロが募金開始 教会にも被害
-
キリシタン弾圧を描いた遠藤周作の代表作『沈黙』 絶望の淵で宣教師が得た答えとは?
-
世界バプテスト連盟、トランプ米政権による対外援助の大幅削減受け緊急の呼びかけ
-
超自然的現象と科学(11)アガペー再考―アガペー以上の大きな愛「ドード」発掘 愛多妥直喜
-
シリア語の世界(20)名詞1・ヨハネ黙示録の賛美歌3―5章12、13節― 川口一彦
-
ヨハネ書簡集を読む(13)「巡回宣教者をもてなしなさい」―愛と真理によって― 臼田宣弘
-
第3回臨床牧会教育(CPE)参加者募集 オリブ山病院で6月30日〜7月11日 「信仰の実践としての医療におけるスピリチュアルケア」
-
「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る
-
篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(220)聖書と考える「Live News イット!」
-
「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る
-
キリシタン弾圧を描いた遠藤周作の代表作『沈黙』 絶望の淵で宣教師が得た答えとは?
-
ミャンマー地震、国内のキリスト教NGOが緊急募金開始
-
超自然的現象と科学(11)アガペー再考―アガペー以上の大きな愛「ドード」発掘 愛多妥直喜
-
シリア語の世界(20)名詞1・ヨハネ黙示録の賛美歌3―5章12、13節― 川口一彦
-
聖書の売り上げが5年間で87%増加、英国 Z世代がけん引か
-
第3回臨床牧会教育(CPE)参加者募集 オリブ山病院で6月30日〜7月11日 「信仰の実践としての医療におけるスピリチュアルケア」
-
人生を変えることができるのは誰? 菅野直基
-
鈴木結生著『ゲーテはすべてを言った』 牧師の息子が書いた芥川賞受賞作
-
聖書のイエス(6)「わたしはさばきのためにこの世に来ました」 さとうまさこ
-
キリシタン弾圧を描いた遠藤周作の代表作『沈黙』 絶望の淵で宣教師が得た答えとは?
-
「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る
-
ミャンマー地震、国内のキリスト教NGOが緊急募金開始
-
シリア語の世界(20)名詞1・ヨハネ黙示録の賛美歌3―5章12、13節― 川口一彦
-
聖書のイエス(6)「わたしはさばきのためにこの世に来ました」 さとうまさこ
-
東京で初の「赤ちゃんポスト」「内密出産」 賛育会病院が開始、国内2例目
-
世界バプテスト連盟、トランプ米政権による対外援助の大幅削減受け緊急の呼びかけ
-
超自然的現象と科学(11)アガペー再考―アガペー以上の大きな愛「ドード」発掘 愛多妥直喜
-
主にある救いと教会のイメージを持って歩もう 万代栄嗣
-
東京地裁、旧統一協会に解散命令 協会側は即時抗告の意向