社会的弱者の側に立ち、人間の尊厳を守るために活動する個人や団体に贈られる「ステファニ・レナト賞」の今年度受賞者が5日、ネパールの農村部を支援するNGO「アジアこども基金(ACF JAPAN)」(岐阜県可児市、鈴木まさこ代表)に決まった。授賞式は23日、名古屋・栄の複合施設「オアシス21」で行われる。
アジアこども基金は05年、代表の鈴木まさこ氏(63)が亡夫の遺産などを投じて設立。現在は、ネパールの農村部で、牛糞でバイオガスを発生させる装置や乳牛の購入資金を無担保融資するなどの自立支援活動を展開している。ミルク販売の現金収入で子どもを高校へ進学させることができたなど、現地での活動が住民の生活水準向上につながっている。
同賞は故ステファニ・レナト神父の功績を称えて04年に創設された。イタリア出身のレナト氏は1964年に来日し、神父としての教会活動の傍ら、特定非営利活動法人・名古屋NGOセンターの初代理事長として、東海地方におけるNGO活動の発展に尽力した。03年10月に東ティモールでの活動中に交通事故に遭い、帰らぬ人となった。