山北宣久師(日本基督教団総会議長、聖ケ丘教会牧師)が12日、『今、教会が伝えるべき福音』と題された日本基督教団・弓町本郷教会(東京都文京区本郷)の創立120周年講演会に講師として招かれ、集まった約100人の聴衆を前に、マルコによる福音書5章1節から20節の聖句からメッセージを伝えた。
山北師は、「羊が羊飼いに頼らざるを得ない弱い存在であり、だからこそ自分を保護する羊飼いの声を聞き分け忠実に従う姿がある」と、人と神の関係性を説き、「『インマヌエル(神我とともにあり)アーメン』いつも一緒にいてくださる神さまです。福音を一言であらわすならばこの言葉。『私の目には高価で尊い』という神さまのお言葉を素直にありがとうと頂戴しましょう。私なんかというのは傲慢。「役立たず」はない、人にも自分にも言ってはいけない。クリスチャンとは一緒に生きる者、私たちは群れを形成していくものです」と話した。
また山北師は、「正義と愛はいつも二人三脚、正義を行い愛に生きる。それが福音に生きるということです。その中に十字架と復活があります。心の痛み、苦しみというのは何とかなります。しかし虚しいという思いを満たすものは世の中にはありません。それを満たすのが福音。人の心を満たす神さまの愛がそこにあります」と伝えた。
最後に山北師は「何をするべきかより、いかにあるべきか、これからの一週間の生活の中で『生き生き』と生活しましょう。これは『元気』という意味ではなく、私の生を肯定し、私自身を生きていくということです。恵みに感謝して生きましょう。その姿で生きるとき、真に神はあなたがたのうちにあります。教会が伝えるべきものとは、私を通してあらわれる証しの生活です」と語った。