現存する最古の和訳聖書であるギュツラフ訳「約翰福音之傳」(1837年刊行)の翻訳に携わった漁民たちの業績を記念する第49回聖書和訳頌徳碑記念式典が30日、愛知県美浜町で開催される。
今年は、聖書翻訳に携わった美浜町小野浦出身の漁民、岩吉・久吉・音吉(合わせて通称「三吉」)を扱った三浦綾子の小説『海嶺』を手掛かりに、三吉と聖書翻訳の関わりについての講演が行われる。講師は、三浦綾子読書会顧問の森下辰衛氏と三浦綾子初代秘書の宮嶋裕子氏。美浜町の和太鼓グループ「鼓響」による演奏も行われる。
日本では明治以降、聖書の翻訳事業が本格化したが、その端緒となったのがギュツラフ訳「約翰福音之傳」。記念碑は日本人として最初に聖書翻訳に協力した三吉の業績を記念して1961年、日本聖書協会が中心となり、愛知県や名古屋市、美浜町などの自治体に加え、財界各方面の協力と援助のもと建立された。1980年には周囲が整備され、現在は小公園になっている。
参加無料。午前10時から午後1時まで。問い合わせは、日本聖書協会広報部(担当:中村・森脇、電話:03‐3567‐1988)まで。