ベルギーのカトリック教会聖職者による児童虐待問題で同国のカトリック教会を統括するレオナール大司教は13日、記者会見を開き、多数の神父らが長年にわたり児童らに性的虐待を行っていたことを初めて公式に認め、教会を挙げて被害者対応に全力を注ぐ考えを表明した。共同通信が伝えた。
10日に発表された教会系調査委員会の報告によると、ベルギーのカトリック教会聖職者による虐待の被害申告は475件に上り、被害者のうち少なくとも13人が自殺しているという。
レオナール大司教は会見で、調査委の報告を検討して「過去の過ちから教訓を得たい」と述べ、教会内での性的虐待の再発防止に取り組むとともに、被害者対応を行うセンターを設置する考えを表明した。また、虐待に関わった者に対しては、教会から永久追放するなど厳しい処分を下す方針を示した。
ベルギーでは今年4月、北西部ブリュージュの司教が過去に長年にわたって少年と性的関係を持っていたことを認めて辞任。その後、同様の被害申告が急増したことから、同国の司法当局が教会の家宅捜索などに動き出すなどした。