ローマ教皇ベネディクト16世は2日、イエス・キリストの埋葬時に遺体を包んでいたとされている「トリノ聖骸布(The Shroud of Turin)」が公開されているイタリア北部トリノの大聖堂を訪れ、聖骸布の前で祈りを捧げた。
聖骸布は縦4・36メートル、横1・1メートルほどの杉綾織の亜麻布。イエスが死んだとき、頭を真ん中にし、布を2つ折りにするかたちで遺体を包んだものだとされており、1898年に初めて布を写真撮影したセコンド・ピア氏のネガから布に刷り込まれた男性の姿が発見され、それがイエス・キリストの姿だと言われている。聖骸布の存在については、古くから伝えられており、西暦33年にはすでにエルサレムで確認されていた。
未だ真贋をめぐっての論争が激しい聖骸布だが、祈りを捧げた教皇は、血痕など聖骸布の特徴が「キリストに関する聖書の記述と完全に一致する」と強調した。
聖骸布は先月10日、2000年以来10年ぶりの一般公開が始まった。今月23日までの期間中、約200万人が来場する見込み。