【CJC=東京】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が3月24日、ウィスコンシン州のカトリック聖職者が200人もの児童に性的虐待を行い、管轄する大司教がバチカン(ローマ教皇庁)に事案を報告したものの、処罰されていなかったことが分かったと報じた。
バチカン(ローマ教皇庁)教理省に報告が上がった1996年当時に同省長官を務めていたのは教皇ベネディクト16世。同省はその際、何の回答もしなかったという。
教皇の当時の側近がその後、内部での懲戒手続きを指示したが、聖職者が悔い改めたとする書簡を現在の教皇に送った後、手続きは打ち切られた。
聖職者は50〜74年まで聴覚障害児の学校で勤務した際に虐待を行ったとみられ、98年に聖職をはく奪されることのないまま死去した。