【CJC=東京】イエス・キリストの降誕地として知られるパレスチナ自治区ベツレヘムには12月24日、世界各地から訪れた“巡礼者”がクリスマスを祝った。バタルセ市長は、クリスマス期間中に海外からベツレヘムを訪れる人は昨年並みの1万〜1万5千人と見込んでおり、5000室近いホテルは満室だと語った。
生誕教会前の飼い葉桶広場にはクリスマス・ツリーと共にパレスチナ自治区の国旗が飾られた。広場の樹木に装飾が施され、バンド演奏などで盛り上がった。パレスチナ警察が銃を持って街路をパトロールしているものの、大規模な衝突もなかった。
祝典はパレスチナ市民のボーイスカウト、ガールスカウトによる行進で始まった。生誕教会は、キリストが生まれたと伝承される洞穴を中心として、その上に立てられており、ローマ・カトリック、東方正教会、アルメニア使徒教会が区分所有している。
カトリック教会の聖地での代表、ラテン典礼総司教が生誕教会でミサを行うのを巡礼たちが見守った。隣接する聖カテリナ教会で行われた恒例の深夜ミサには、世界各地からの“巡礼”と共に次期パレスチナ自治政府議長選への不出馬を表明したイスラム教徒のアッバス議長も参列した。
イスラエル政府がパレスチナ自治区との間に『分離壁』を設け、パレスチナ市民の通行を規制していることに、パレスチナ側の不満は高まっている。イスラム原理主義組織ハマスが支配する自治区ガザからはキリスト者約3000人のうち約300人がベツレヘムのある西岸訪問をイスラエル軍に許可された。ガザではイスラエルが境界封鎖を2年超継続。通常は自由に出入り出来ない。