クリスチャンも人間。身体の調子が良いときもあれば、何にも興味がわかず心身ともに疲れ果ててしまうときもある。牧師や伝道者ともなれば、人の悩みや相談は毎週山ほど聞くことになる。最近の経済不況と社会の陰うつな雰囲気の中で、精神的に最も過酷な仕事のひとつは牧師だろう。
信仰が弱くなってしまうのは避けられないのだから、大切なのは、早く信仰を回復させることだ。信仰回復の仕組みを作ってしまうのだ。伝道の熱意を保つための先行投資だから、牧師として働く総時間の3%から5%を充ててもよいだろう。
時間と曜日を問わず奉仕をする牧師は1日16時間、週7日を労働時間と考えると、年間5,840時間になる。一ヶ月あたり3%なら14.6時間、5%なら24時間。つまり丸1日から1日半、または半日2回から3回程度は伝道の熱意を保つために割いても、けっして悪くないはずだ。少なく見積もっても、半日から1日は先行投資として使えることになる。
モチベーションを高めるセミナーや書籍で考え方を前向きにするのもよい。祈りや聖書音読に没頭するのもよい。とびきり早起きをして町内の散歩などしてもよい。ビジネスで成功を収めている活発な知人や気のおけない友人から元気をもらうこともできる。毎回必ず熱意を回復できるとは限らないが、ひとつ決めたことを毎月続けていると、なかには自分に合った人や助言に出会えるものだ。そうなれば、その人と親交を深めたりすれば気力回復の良い機会になる。
月16時間と考えれば、週1、2度はこうした機会をスケジュールに入れられる。大切なのは、これを自らスケジュールに入れてしまうことだ。自分のことは自分で行動に移すしかない。
一度の回復が永久に続くことはないのだから、毎月、毎週単位でこうした仕組みを作ってしまうことが大切だ。継続することが何より重要なのだ。いつも元気と笑顔の絶えない牧師の姿を見て信徒や近隣の住民が良い影響を受ける。これが意外なほど、後の発展につながってくるのだ。