・・・さて、獄中でキリストのみわざについて聞いたヨハネは、その弟子たちに託して、イエスにこう言い送った。「おいでになるはずの方は、あなたですか。それとも、私たちは別の方を待つべきでしょうか。」イエスは答えて、彼らに言われた。「あなたがたは行って、自分たちの聞いたり見たりしていることをヨハネに報告しなさい。・・・イエスは、ヨハネについて群衆に話しだされた。「あなたがたは、何を見に荒野に出て行ったのですか。・・・預言者を見るためですか。・・・預言者よりもすぐれた者をです。(マタイの福音書11章1節〜9節)
私たちが掴んでいる信仰の秘訣は、私たちが思っている以上に、今の世の中で生きる人々にとっては大切なメッセージとして響くのです。私たちは、神の祝福を本当に素直に、シンプルに受け止める者でありたいと思います。
イエスの前に登場した、最後の預言者とも言われる洗礼のヨハネという伝道者が捕らえられ、牢に入れられていた時のことです。そのヨハネから遣わされた彼の弟子たちがイエスのもとに来て、「あなたが本物の救い主であるかどうか、私たちの師がもう1回確認したいと言っている。」と言います。その時にイエスは、答えは火を見るよりも明らかではないか。目が見えるようになり、耳が聞こえ、歩けなかった者が立ち上がり、らい病が癒され死人が生き返っている。今起こっていることをそのまま報告しなさいと、念を押すように答えられたのでした。
また一方で、イエスと共にいた人々の中には、洗礼のヨハネについていろいろと憶測が流れていたのでしょう。彼らに対してイエスは、「あなたがたが荒野に見に行ったのは、救い主の到来を告げる偉大な預言者、洗礼のヨハネではなかったのか。その彼が語っている救い主が来ているのに、あなたがたの心はなぜ暗いままなのか」と語ります。
この箇所から、今日は2つのことを心に刻み付けたいのです。
1.見るべきものを見、信じるべきものを信じる
イエスは、洗礼のヨハネとその弟子たち、またイエスと共にいた人々に対して、見るべきものはそこにあったはずだし、聞くべきものを聞いたはずではないか、どうして信じるべきものを信じないのかと、その不信仰を注意されました。
私たちに必要なのは、見るべきものを見、聞くべきものを聞き、信じるべきものを信じる素直な心です。
自分が神であるように宣言しているとんでもない新興宗教がたくさんありますが、私たちは、与えられた知恵によりそんな愚かさから解放されなければなりません。しかし一方で、どれだけ人間の権利や主張が強くなり、知識や知恵が増したからといっても、自分の命を好き勝手に使ったり、自分が作り出したかのように思い込む傲慢な考えに陥ってはならないのです。
私たちの教会生活においても、神からの救いや癒し、恵みの御業はいくつも現わされています。キリストは働いておられます。しかし私たちは、見るべきものを見、聞くべきものを聞き、信じるべきものを信じているでしょうか。
多くの人々が、そこに救い主がおられ、救い主の御業を見ながらも信じ損ねた事実があるのです。
イエス・キリストを信じましょう。キリストが私たちの魂の救い主で、昨日も今日もいつまでも変わらないお方です。私たちがキリストの御名によって祈り求めることには、必ず答えて下さいます。このことを感謝して受け止めたいのです。
2.今この場での信仰にこだわる
イエスは、洗礼のヨハネからの使いに対して、今ここで起こっていることを報告しなさいと言われたのです。神が働かれるのは常に今なのです。
また、人々に対しては、お前たちは、洗礼のヨハネと出会いながら彼のメッセージを受け止めなかったのか、救い主である私がここで働きをしている今、神の恵みを求めなさい、と主は語っておられるのです。
イエスが用意して下さるものは、私たちが素直に認めるべき、今も生きて働かれる救い主としてのご自身の明確な働きです。私たちが信じ求めるならば、今もイエス・キリストの御名によって救いが現わされ、私たちは魂の根本から変えられるのです。そして、今ここで祈るなら、主の御業はインドだけではなく、あなたの上にも今起こるのです。
主が今も癒して下さると信じましょう。今が恵みのときであり、今日、この一瞬が救いの日なのです。
「これらのことを、賢い者や知恵のある者には隠して、幼子たちに現わしてくださいました。」と、25節で主が言われたように、ひねくれた複雑な心を持った大人たちではなく、幼子のような素直な心を持った人々にイエスの救いの御手は伸ばされようとしています。私たちも今、主の恵みを素直にいただきましょう。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。