【CJC=東京】世界中で大ヒットとなった『ダ・ヴィンチ・コード』の続編『天使と悪魔』について、バチカン(ローマ教皇庁)の機関紙『ロッセルバトレ・ロマノ』は、5月6日付の映画評論及び論説で、「非常に商業的で歴史的事実は不正確」だが、「教会にとって危険ではない無害なエンタテインメント」と評価した。
バチカンは第1作『ダ・ヴィンチ・コード』のキリストをめぐるナゾや、宣教団体『オプス・デイ』に関する描写に問題があるとして、強く反発していた。
「原作は両方とも、教会とある派閥の対立を描くというテーマは共通しているが、善と悪のパートが違う」と同紙は述べている。
『天使と悪魔』は『ダ・ヴィンチ・コード』と同じダン・ブラウン原作小説をロン・ハワード監督、トム・ハンクス主演で映画化。続編ではあるが、時間的には『ダ・ヴィンチ・コード』よりも前の設定で、ローマを舞台にアメリカ人の学者ロバート・ラングドンがバチカンにまつわるナゾを解いていくというスリラー。
製作の米ソニー・ピクチャーズは、昨年、重要なシーンに登場する歴史的建造物サンタ・マリア・デル・ポポロ教会とサンタ・マリア・デラ・ヴィットリア教会での撮影許可を、イタリア当局に申し込んでいた。ただ教会の使用許可はバチカンからも取得しなければならず、この映画に関してバチカンは許可を出さなかった。