・・・今、行け。わたしはあなたをパロのもとに遣わそう。わたしの民イスラエル人をエジプトから連れ出せ。」モーセは神に申し上げた。「私はいったい何者なのでしょう。パロのもとに行ってイスラエル人をエジプトから連れ出さなければならないとは。」神は仰せられた。「わたしはあなたとともにいる。これがあなたのためのしるしである。わたしがあなたを遣わすのだ。・・・。」(出エジプト記3章9節から12節)
私たちは皆、神様から選ばれた意味があり、使命があり、成すべき仕事があります。今日は、燃える柴の章と呼ばれるモーセの物語から学んでみたいと思います。
モーセは、ヘブル人の子として生まれながらもエジプト人としての教育を受けました。大人になり自分がヘブル人であることを知り、40歳のときにエジプト人を殺し、エジプトの王宮から逃げ、ひっそりと荒野に住んでいました。人生の晩年を迎えようとする80歳のとき、神が声をかけられたのです。モーセにとっては全く突然のことであり、まさに青天の霹靂でした。しかし、彼の考えとは違う人生を神が用意しておられました。用意周到に様々なことを働かせ伏線を張り、準備万端整えられた特別な人生があったのです。
それは、歴史を変える偉大な指導者として、古代の世界の最も強大な国エジプトの王と対決し、イスラエル人を奴隷生活から解放するという使命です。
規模や中身は違うかもしれませんが、同じ神を信じている者として、モーセの人生に起こったような価値ある事柄が、私たち一人一人の人生にも起こるのです。それを信じるなら、この1年は、人であるあなたが考える1年ではなく、神があなたを用い、事を成させて下さる1年となるのです。
4つのことを受け止めておきましょう。
1.神の臨在がある
モーセが神からお声かけいただいたのは、聖なる神の臨在の地、神が共におられる恵みの場所でした。
私たちは主の臨在をどんな時も忘れてはいけません。自分の力だけでがんばりすぎないことです。自分の力に頼っても、私たちの能力には限界があります。私たちは弱く足りない者です。
教会だけではなく、家庭でも職場でも学校でも、プライベートの時間にも神が一緒にいるのです。主の臨在というキーワードを忘れないで下さい。
2.主の御名が与えられている
イスラエルの人々にとって名前は単なる記号以上の、その人物を一言で表しているものでした。
モーセが神の名を尋ねたとき、わたしはあるという者、つまり自ら存在する神であり、全てのものを存在させる命の源である神であると、答えられました。その神の御名がクリスチャンである私たちには与えられています。誰であっても主の御名を呼び求める者、彼に信頼する者は、失望させられることはありません。
私たちと共におられる神とは、自ら存在され全てのものに命を与えられる、存在の根源なる神で、その御名に全ての名に勝る権威を持たれる神なのです。
3.主の力が現わされる
モーセは続けて神に言います。たとえイスラエル人は信じたとしても、肝心の敵であるエジプト人たちは、奴隷の指導者の言うことなど信じないでしょう。その時、神はモーセの持っている杖を蛇に変え、主の力を現わされたのです。
モーセの力ではどうしようもないことが、モーセの人生の中に起こりました。人の力を超える神の力が現わされ、人の想像や理屈を超えたことが起こるときには、人の目には不思議に見え、奇跡と思えることさえ起こるのです。
主の臨在がここにあり、主の御名によって祈るときに、私たちには主の力、聖霊の働きがあります。しるしや不思議、様々な恵みとなって主の力は具体化されていきます。
私たちはどんなに自分が弱くても、病も、仕事やお金のこと、心のことや家族のことでも、自分の足りなさや弱さを覚えたときには常に祈るのです。それは、主の力が私たちと共にあると約束されているからです。
4.主のことばが与えられる
主のことばは私たちを支え、勝利に導きます。私たちが語ることばさえ分からないときに、聖霊の働きによって、神は新しいことばさえ下さいます。主のことばは変わりません。主のことばには力があります。
主が私たちを用いて何かをされるときに、私たちを丸腰のままで、ただ突き出すようなことはありません。モーセと同じように、主の臨在をいただき、主の御名をいただき、主の力に満たされ、主のお言葉をしっかり受け止めて、この新年度を歩むならば、神から与えられているビジョン、やるべきことを必ず成し遂げることができます。
不平不満ばかりを口にしてはいけません。必要なものは全て神から与えられており、私たちには勝利があります。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。