強姦で妊娠した9歳少女の中絶関係者を大司教が破門したブラジル北東部ペルナンブコ州の事件は、国内外で大きな反響を呼んだ。ブラジルのルラ大統領をはじめ複数の閣僚や国際世論の反発もあり、司教協議会は12日、今回の処置は適当でないとの見解を示し破門の取り消しを表明。バチカンは14日、自動的な破門適用を非難する文書を発表した。
少女は、同居する23歳の継父に強姦され双子を妊娠。継父は、少女への3年間にわたる性的虐待に加え、身体に障害を持つ14歳の少女の姉にも性的虐待を加えた容疑ですでに逮捕されている。
妊娠15週目で腹痛を訴える少女を母親が病院に連れて行き、発覚。低年齢の出産には危険が伴うこともあり母親と医師らの判断で中絶手術を行った。
今回破門を宣告したレシフェ・オリンダ教区のジョゼー・カルドーゾ・ソブリーニョ大司教は、過去にも同様のケースで破門処置を繰り返してきた。「少女の命を守るため」との医師側の反論に対して大司教は、少女の命が危険であっても胎児2人の命は救われるべきであり破門はしかるべき処分、と主張していた。