ローマ教皇庁(バチカン)は19日、同公式サイトの中国語版を公開した。サイトでは、これまでに発表された教皇のメッセージなどを中国語で詳細に閲覧できる。これで公式サイトの言語はイタリア語、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、ポルトガル語、ラテン語に中国語を合わせた計8つとなった。
中国とバチカンとの国交は51年以来途絶えている。
国交回復の最大の障害は、中国国内における司教の任命権問題。任命権はあくまで教皇に属するというバチカン側の要求に対し、中国側はこれを内政干渉であるとして全く認めていない。
中国政府教育部が昨年までに中国全省の4500人を対象に行った調査によると、政府公認の教会に通うカトリック信者は400万人。加えて、ローマ教皇庁に忠誠を示す地下教会に属している信徒は約1000万人いるとされる。
バチカンは中国との国交樹立に前向きな姿勢を見せており、今回の中国語版サイト公開も中国との関係修復に少しでもつなげたい考えとみられる。