国際NGO団体のワールド・ビジョン・ジャパン(東京都新宿区、WVJ)は今月25日から来月6日まで、イスラエル軍による昨年末からの空爆で被害を受けた、パレスチナ自治区ガザへの緊急人道支援のための調査目的で、スタッフ2人を派遣することを発表した。
発表によれば、今回の調査は、NGO、経済界、政府が協力する国際人道支援組織「ジャパン・プラットフォーム」(東京都千代田区、JPF)の助成を受けて行われるもので、エルサレムとガザで情報収集、状況調査、関連機関との調整などを行う予定。安全上の理由でガザへの入域が困難な場合は、エルサレムのみでの調査となる。
WVJの発表によれば、昨年12月27日から今年1月17日まで続いたイスラエル軍による空爆で、ガザでは全家屋の13%に相当する2万1000家屋が全壊状態。約150万人が支援を必要としているという。また、ガザの人口の約半数は18歳以下であり、その内5万人が栄養失調、2歳以下の子どもの半数が貧血、70%以上がビタミンA欠乏症を抱えているという。
JPFではすでに今月5日から、加盟する「社団法人日本国際民間協力会」(NICCO)と「特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン」の2団体がガザへスタッフを送り、人道支援を開始している。それぞれ500世帯分の生活物資の配布や、現地での今後の支援に向けた調査を行うなどしている。
ワールド・ビジョンは1951年に米国で設立された、キリスト教精神に基づいて開発援助、緊急援助、アドボカシー活動を行う国際NGO団体で、現在世界97カ国で各国のワールド・ビジョンが設立されている。日本では、戦後の一時期、孤児院などに対する支援活動が行われた。1987年には、支援する側としてワールド・ビジョン・ジャパンが設立。子どもたちへの支援を中心とした「チャイルド・スポンサーシップ」による地域開発援助のほか、災害時の緊急支援などを行っている。