今月5日、信者の女性にわいせつな行為をしたとして強制わいせつ容疑で逮捕されたカトリック大阪教区柏木教会(大阪府柏木市)の司祭(74)について、大阪地検は25日、疑惑が不十分であるとして不起訴処分とした。時事通信が伝えた。
同通信によれば、地検は不起訴の理由として、「強制したかどうか証拠がなく、行為も重大でない」と説明している。
今回の容疑は、信者の40代女性が今年1月に同教会を管轄する大阪教区に対して申告したことで明るみに出た。同教区の調査によれば、司祭は女性に対して昨年10月から12月にかけて約70回にわたって、「愛してます」などと言って抱きつくなどの行為があったとされていた。しかし、朝日新聞が捜査関係者の話として伝えたところによると、日時が特定できず、回数についても司祭の認識と大きく食い違っていたという。
司祭はこれまでも、キスなどの行為があったことは認めていたが、わいせつ目的ではないことを説明していた。
同教区は今回の容疑が「教会に対する信頼を失う行為」だとし、弁護士数人による第三者委員会を立ち上げるなどしていた。今回不起訴処分となったが、同教区の松浦悟郎補佐司教は「本人は事実関係は認めている。教会は事実を重くとらえ、再発防止に取り組む」(同紙)と語った。